実態が追い付かない「働き方改革」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月9日放送)にジャーナリストの有本香が出演。働き方改革の実態について解説した。
働き方改革~管理職にしわ寄せ
人材紹介会社「経営者JP」が行った意識調査によると、4月に施行された働き方改革関連法に対し、部長職の29.3%が「経営陣・管理職の労働時間が長くなっている」と感じていることが分かった。中間管理職などの業務にしわ寄せが来ている実態が浮き彫りになった形である。
新行)この調査は5月中旬から下旬にかけて、課長職以上の男女およそ7000人を対象にインターネット調査を行い、180人から回答を得たという調査ですが、関連してメールもいただいています。千葉県船橋市にお住まいの“ひでき”さんから。「働き方改革ですが、何となくゆとり教育のときと似ているような気がします。見切り発車のような。わが社でも残業ダメ、有給を取らないとダメ。結局、休日は自宅で会議資料作成などの仕事をしています。禁止されていますが仕方ありません」。
有本)そうですね、こうなることは見えていましたよね。この調査は課長職以上と言っても、会社によって課長職の人が負っている部下の数がどれだけいるかなど、ずいぶん違いがあるとは思うのですが、中間管理職の人たちに負荷がかかるだろうということは予想されていました。
新行)働き方改革という言葉は浸透している気がしますが、一方で「何のために改革するのか」という、中身の部分がすっぽり抜けてしまっている気がします。
有本)先ほど休みの日に会議資料を作るとありましたが、日本特有の仕事の在り方が変わらないと、業務量は変わらないですよね。業務量が変わらないのに休みを取りなさいと言ったら、誰かにしわ寄せが行くことは当たり前の話です。
企業が業務そのものの効率化に本格的に取り組むべき
新行)大学の友人とご飯を食べていると、もう帰ってくださいとか、残業はあまりしないでくださいとすごく言われるそうです。休みも取ってくださいと。でも、業務時間内にどうやっても仕事が終わらない。だから持って帰って、お休みの日に家で仕事をする。結果そんなに変わっていない。
有本)総労働時間としては変わっていないのです。どうして仕事の量がそのようになってしまっているのか。企業が業務そのものの効率化に、本格的に取り組むべきなのです。例えば、会議資料はそんなにいるのかという話です。昔から言われていますが、多いですよね。なかなか実態が追い付かないと言うか、中身が伴って来ないですね。
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