ウォーキングには「ウォーキングシューズではなく、ジョギングシューズ」を

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、一般社団法人「足と靴と健康協議会」事務局長で、上級シューフィッターの木村克敏が出演。ウォーキングするための靴選びについて語った。

ウォーキングには「ウォーキングシューズではなく、ジョギングシューズ」を
黒木)今週のゲストは一般社団法人「足と靴と健康協議会」事務局長で、上級シューフィッターの木村克敏さんです。「歩きましょう、歩きましょう」とよく言われるのですが、やはりいいのですか?

木村)そうですね。少し注意してほしいのが、ウォーキングシューズで走ってしまっている方がいらっしゃるのですけれど、実はウォーキングシューズというものは走るために設計されていません。走ると足を痛めてしまう可能性が高いので、絶対にやめてください。いいのは初心者用のジョギングシューズ。これは間違いないです。

黒木)なぜ?

木村)ジョギングシューズは走ることを前提に作られていますから、歩く分にはまったく害がない。なぜ初心者用かと言うと、上級者になると速く走るためにソールが薄くなったり、その人に合うようにいろいろとカスタマイズされます。初心者の場合は、歩き方や走り方をある程度矯正してくれるような作りになっているのですけれど、プロに近くなると自分のパフォーマンスを上げるために、そういうものがなくなるのですよ。このことを知らない方は多いですね。

黒木)私も知りませんでした。

木村)本当に危険です。

黒木)歩けばいいのでしょうと思って、歩くのに楽な靴を選ぶのも、足には良くないのでしょうか?

木村)そうですね。いろいろな年齢の方がいらっしゃると思うのですが、高齢者の方は朝ウォーキングしたり、お散歩したりすると思います。高齢者の方のかかとは脂肪がクッションのような、ビーズのような構造になっているのですが、脂肪は加齢とともに減ってしまいます。ですので、かかとのところにある程度クッションのあるものを選んでください。若い方は心配ないのですけれど、それぞれの年齢で選ぶべき靴は変わります。

黒木)靴の減り方が、内側が減っている方とか、外側が減っている方とかいろいろいますよね。

木村)エスカレーターや階段で必ず、そこに目が行ってしまいます。かかとの外側からついて歩くのが正常だということを話しましたが、靴の底もやや外側が中心に対して45度くらいで減っているのが、きちんとした歩き方です。我々シューフィッターはみなさんが靴売り場で靴を見ている間に、履いて来た靴を見るのです。靴の裏のしわなどを見て、「これは間違った靴選びをしているな」などと判断します。

黒木)しかし、間違っているかもしれないから、靴を買いに来るのですよね。

木村)そうですね。そこで気が付いてくれれば、きちんとした靴をお選びして合わせることができます。しかしそれをやらない方は、そのまま行ってしまわれますので。

黒木)木村さんのようなシューフィッターの方をお呼びして、自分に合うものを選んでいただくということが大切ですね。

木村)靴選びが慣れて来れば自分でも、「こういうところを見ればいい」というポイントが分かるようになります。最初は専門家の人にアドバイスをもらって靴を選んでいただいた方がいいと思います。

ウォーキングには「ウォーキングシューズではなく、ジョギングシューズ」を
木村克敏(きむら・かつとし) / 上級シューフィッター

■1965年生まれ、東京出身。
■東洋大学経済学部卒業後、東京・銀座の「株式会社かねまつ」に入社。
ショップ店長、オーダーサロンマネージャー、銀座本店・副支配人を務める。
■その後「コールハーンジャパン」へ転職。ストアマネージャーを経てスーパーバイザー、ショップトレーナーとなる。
■現在は「一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA)」の事務局長を務め、シューフィッターの養成講座の運営の傍ら、講演活動等も実施。上級シューフィッターの有資格者であり、ドラマ「陸王」ではシューフィッターの演技指導も務めている。

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