中国がアメリカをWTOに提訴~実効性のないポーズにすぎない
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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(9月3日放送)にジャーナリストの有本香が出演。中国がアメリカをWTOに提訴したニュースについて解説した。
中国が1日の追加関税でアメリカをWTOに提訴へ
中国商務省は2日、アメリカが1日に1100億ドル相当の中国製品に対して発動した制裁関税措置について、世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表した。
飯田)アメリカの措置は、米中首脳会談での共通認識に著しく背いていると強く批判。WTOのルールに基づき、自らの合法的な権益を守り抜くとしています。
有本)これまでの中国は、「WTOに提訴される国」というイメージの方が強いのです。だけどその中国が最近、特にトランプ政権になってからは、「自由貿易は大事だ」と言うわけではないですか。冗談はいい加減にしろという感じなのですけれども。ただ、WTO自体の仕組みがもう古くなって、機能不全に陥ってしまっている感じが強いです。特にいま申し上げたように、過去の中国はどちらかと言うとWTOに提訴されて来た。不当ダンピングなどで提訴されることが多かったのです。つまり各国が関税を下げて、壁を下げて行くと言っているのですが、中国は自由貿易だと言いながら、国内で不当な補助金を出してダンピングをしているという実態はずっとあったのです。こういうことが非難の対象になって来ました。ここでアメリカが関税を上乗せして来て、リセットしましょうという話になったとき、いまの中国の言い分だけをWTOが大きく取り上げるということは、そもそもあり得ない。
飯田)実効性は期待できずにポーズ、パフォーマンスだということですね。
有本)そうなのでしょうね。でも、中国側としては困っていると思いますよ。
飯田)経済が冷え込むなかで。
機能不全のWTO
有本)韓国も日本をWTOに提訴すると言っていますけれども、結局WTOが機能不全に落ち込んで来たから、新たな枠組みとしてTPPを作ろうとか、RSEPなどいろいろなことを言い始めているのです。もう1回、一巡してブロック経済化して行くというような話です。ですからWTO提訴というのは、ファイティングポーズを取っているということに過ぎないと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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