安倍新内閣~外務大臣と防衛大臣シフトの本当の理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月13日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。本格的に活動を開始した安倍新内閣について解説した。

安倍新内閣が始動

先日11日の内閣改造で起用された新閣僚が12日、それぞれの担当分野で本格的に活動を開始した。初入閣の小泉進次郎環境大臣は、東日本大震災の被災地である福島県を訪れ、内堀知事と県庁で会談。東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う汚染土など、30年以内に県外で最終処分するという政府の約束について、守れるよう全力を尽くすと伝えた。また、台風15号の被害を把握するため、武田防災担当大臣と菅原経済産業大臣が千葉県、赤羽国土交通大臣は神奈川県をそれぞれ視察した。

飯田)各省庁で新旧大臣の引継ぎが12日に行われて、その後で各地に散る大臣もいれば、省内でブリーフィングを受ける大臣もいたということです。

宮家)前内閣のときは滞貨一掃だと言われました。今回はそれが全くないわけではないかもしれませんが、総理にとって今回は信頼できる、やりたいように仕事ができる布陣を、いい意味で敷いたという気がします。同時に、後継者となる人を育てることも総理の仕事ですから、そうした可能性のある人を呼び寄せてみたり、さまざまな工夫があったのだと思います。けれども、なかなか新味を出すのは難しいでしょうから、これは大変です。いろいろ言われました。外務大臣が防衛大臣になって……。

外務大臣と防衛大臣のシフトは対韓国を考えてのことではない

飯田)茂木外務大臣になって、河野さんが防衛大臣に。

宮家)横滑りだと。それは日韓の強硬な姿勢に対するシフトだと言う方もいらっしゃいますが、私は「そうかな?」と思います。まず日韓関係については、総理は腹を括っていますから、立場は全然ぶれていないでしょう。韓国内の状況も、いまは検察を巡って大騒ぎしているわけだから、とても日本に譲歩できる状況ではありません。そうなれば、向こうから新たなものは出て来ない。こちらは動きようがないし、動く必要もないと思います。

飯田)もうボールは向こうにあると。

宮家)日韓関係だけのために内閣改造をやっているわけではありませんから。

飯田)確かにそうですね。

宮家)外交だってたくさん仕事があるし、防衛省については日本の防衛能力をどれだけ高めるかが、いちばん大きな仕事です。日韓も大事かもしれないけれど。

欧米の日本に対する評価が高くなっている

宮家)いまの日本にとっては、外交でぶれないことが大切だと思います。実は12日、13日と日米欧の識者が集まって会議をしています。それを見ると、安倍内閣、日本に対する評価が明らかに10年前、もしくは5年前と比べて変わっています。

飯田)いい方に変わっているのですか?

宮家)いい方に。日本の政治はとても安定しています。イギリスやアメリカを見てください、滅茶苦茶ではないですか。それと比べたら、いかに日本がまともかということをつくづく感じました。

飯田)外交の世界は長く続ける、実績ももちろん大事ですが、同じ人がサミットに何度も出るというだけでも、相当大きいですね。

宮家)ぶれていないから、立場がはっきりしているわけです。自由貿易で、開かれたルールに基づく国際秩序の重要性、それをG7だろうがG20だろうが、日本はぶれずに言うでしょう。アメリカやイギリスなんて、言うことがコロコロ変わっているではないですか。どちらが信頼できるかとなれば、「日本は変わっていないね、いいね」となり、評価が高まっていると私は実感しました。

飯田)トランプさんとも話せるし、イギリスともいい。メルケルさんとも何とか話せると。

宮家)それだけではなくて、安倍政権はアジアにおいて最も良識のある、非常に強力な政権です。韓国がふらふらしているわけですから。

飯田)どちらにつくのだという。

宮家)アメリカからしたら、昔は日本と貿易問題があったかもしれないし、中国に色目を使ったときもあったかもしれませんが、いま彼らは、やはり日本しかないなと腹を据えています。

飯田)大きなアジア太平洋の戦略、インドまで含めて考えると。

宮家)日本と、豪州、そしてインドが来てくれたらいい。それがインドパシフィックなのですけれどね。

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