豚コレラ~農水省がワクチン接種に踏み切れない理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。埼玉県で2例目の豚コレラの感染が確認されたニュースについて解説した。
埼玉県で2例目の豚コレラ確認
埼玉県小鹿野町の養豚場で家畜伝染病の豚コレラに感染した豚が確認された。13日に秩父市の養豚場で感染が確認されていたが、そこから南西におよそ5.5キロ離れた場所での感染となる。この2つの関連性や感染経路はわかっていない。
佐々木)豚コレラはワクチンを使えば抑え込めるのですが、ワクチンは軽く感染させることになるので、そうなると清浄国ではなくなってしまうために、輸出できなくなるという事情があるのです。日本は和牛を世界中に輸出して、和牛ブランドで売れていますが、日本政府は第2弾として日本の豚を狙っていたのです。こういうときに問題が起きてしまったので、ワクチンを打って輸出を当分諦めると、10年ほどかかると思います。もしくはここを乗り切るかです。
豚コレラの背景にある「アフリカ豚コレラ」の恐怖
佐々木)これは単なる豚コレラの問題ではなく、背景にはアフリカ豚コレラという、さらに強力なものがひかえています。アフリカ豚コレラはワクチンが効きません。これがアフリカで猛威を奮っています。アフリカと中国は関係が深いので、中国に感染が広がり、そこから北朝鮮に行く。北朝鮮と韓国は肉の輸出入はしていないと思いますが、38度線は無人の荒野だから、野生動物の宝庫です。そこで猪が38度線を越えて韓国に侵入し、韓国でアフリカ豚コレラが発見されてしまう。これが日本にやって来ると壊滅的な被害になるので、絶対に阻止しなければいけません。アフリカ豚コレラはすごくて、3ヵ月くらいは生ハムでも生き残ってしまう。
飯田)アフリカ豚コレラは、人体には影響がないのですよね?
佐々木)人間には感染しませんが、生ハムをスペインから輸入したら、そこからということもあり得ます。なかなか大変な事態だと思います。
飯田)それに直面して、ワクチンを打たないで過ごすのは無理そうですね。
佐々木)輸出はしばらく諦めて、ワクチンを打つ方がいいのではないかなと、個人的には思います。
飯田)埼玉県の大野知事も、ワクチンの検討をして欲しいと言っているとのことです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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