日産自動車新社長~内田専務が昇進した裏事情
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月9日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日産自動車社長の後任に内田専務が昇進した人事について解説した。
日産自動車社長の後任に内田誠専務が就任へ
日産自動車は8日、社長兼最高経営責任者(CEO)を9月に辞任した西川廣人氏の後任に、内田誠専務執行役員を昇進させる人事を発表した。また最高執行責任者(COO)にルノー出身で三菱自動車COOのアシュワニ・グプタ氏が就任。信頼回復に集団指導体制を構築する。
飯田)副COOには関さんという、日産生え抜きの人が入りました。内田さんは元は日商岩井、いまの双日にいて、そこから日産に転じた人です。
高橋)前のゴーンさんが追い出されて西川さんが立っていましたが、追い出されてしまいました。
飯田)西川さんも、役員報酬の不適切なところがあったのではないかと。
高橋)要するに反対派に追い出されてしまったのでしょう。結果的には生え抜きではなく、無難な人になり、ルノーの方も頑張っているからグプタ氏を入れた。その裏側に指名会社と言って、役員を指名委員会が指名するのですが、そこに経産省の天下りがいたりしてね。人事というものは面白いですね。
飯田)今回、その辺りが作用しているということが日経に出ています。日経はそこに食い込んでいるのですかね。
高橋)ちゃんと書いている。さすがサラリーマンの新聞です(笑)。
100人から9月末には内田氏、関氏、グプタ氏の3人に絞られる
飯田)最初はロングリストとして100人くらいの候補がいましたが、そこから西川氏の退任までに10人に絞り、9月末までには3人に絞った。この3人が内田氏、関氏、グプタ氏で、ルノー側はグプタ氏を推した。指名委員会の委員長は豊田正和氏です。
高橋)経産省出身の天下りですよ。ゴーンさんがいたときは天下りを受けなかったのだけれども、ゴーンさんが危なくなった最後のころに日産に入り、日米や中国の話がありますよと連絡調整をしていた人です。ちゃっかり入って、今回も生き延びて指名委員会の委員長でしょう。さすがに人事で泳ぐのが上手いと思いました。
飯田)指名委員会のかじ取りを握ってしまうと、自分たちの方向に持って行けると。
高橋)官邸にどこまで意向があるのか知りませんが、社内では「自分には官邸がバックにある」というようなことを話すのでしょう。
飯田)なるほど、ご意向を。それで関氏、内田氏の日本人トップを主張したと。まず10月初旬に、関氏がトップから外れました。なぜなら西川氏と経営再建策をつくったことから、西川体制とあまり変わらないと。
商社出身で色のついていない内田氏が新社長に
高橋)だから無難にいったのでしょう。結果的に日商岩井から来て、あまり色が付いていない人を入れたと。人事はこんなものでしょうね。運、不運ということだけの話ですよ(笑)。
飯田)経営手腕や、業績を伸ばしそうだということよりも。
高橋)無難に収まる方がいいのです。
飯田)特に揉めているときは。
高橋)それはそうでしょう。個性が強い人はダメですよ。だから無色透明のような、「この人いたのか」という感じの人がいいです。
飯田)日産はお家騒動もありますが、そもそもアメリカ市場での失敗もあり、利益が落ち込んでいます。それを、内田さんを筆頭とする3人の体制で立て直さなければいけません。
高橋)経営の話は世界経済の動きに影響されますからね。経営努力とは違うところで決まってしまうかもしれませんね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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