五輪マラソンのチケット払い戻し対象はいかに~札幌では無料観戦案も
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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(11月4日放送)に産経新聞論説委員・フジサンケイビジネスアイ編集長の山本秀也が出演。東京五輪マラソン・競歩の札幌開催決定について解説した。
札幌で行われるオリンピックマラソンは、無料観戦の可能性
札幌で行われることに決まった2020年の東京オリンピックの男女マラソンについて、組織委員会などは有料の観客席を設けず、沿道のみの無料観戦とする案を本格検討している。東京で行われる前提で売り出されたチケットの払い戻しについても課題が残り、まだまだ波紋が広がることが予想される。
森田耕次解説委員)東京オリンピックのマラソンと競歩の札幌移転が決まりましたが、札幌市は2030年の冬のオリンピック開催を目指しておりますので、札幌市の幹部は「市民の盛り上がりもこれで高まる。招致レースにもプラスに働く」と話しておりました。それから、秋元札幌市長はこれまでの招致活動で「IOC(国際オリンピック委員会)には交通機関や宿泊施設の収容人数、気温などの情報も提供してきている」という話をしておりました。組織委員会などは札幌に変更したマラソンについて、有料観客席を設けず沿道のみの無料観戦にする案を本格検討していると。11月8日には東京でのレースを前提に売り出されたチケットの払い戻しについて何らかの方針が示されるということになっているようですね。
山本)チケットの振替になるのかな、と漠然と思っていたのですが、こういう考え方があったのですね。
森田)ただ、やはり遠方に住んでいる人でも東京への航空券や宿泊場所を一緒に予約してしまっている人たちは、諸経費の負担をどうするのかということが課題として残っているようです。
山本)チケットはこういう構想であれば払い戻しになるのですが、航空券や宿泊費などまで払い戻しの対象になるのかはわかりません。
森田)メールもいただいておりまして、東京都江戸川区の“しもだひさのぶ”さん「マラソンと競歩の札幌開催は決定までのプロセスが全くわからず、IOCには不信感しかありません。小池知事には今後は間違いなく東京都が一切の費用を負担しないことが本当なのか、今後はすべてを都民や日本国民にガラス張りとして費用の流れをはっきりさせて欲しいです。特に、予備費の使い方には要注意です」とあります。
山本)いまのご指摘は当然だと思います。IOCが高飛車にものを持ってきたことは否定できません。ただ、東京は暑さ対策をしても選手が大丈夫かという懸念は残ったと思います。
森田)それから、こちらはツイッターで“備前のラジオ小僧”さん「来年のオリンピックのマラソンと競歩の開催地、すったもんだの末に札幌に決まりましたね。都民の皆さんにとっては悔しい気持ちもあるでしょうが、私的には札幌で開催でも盛り上がっていくべきですね」。決まってしまった以上は仕方ないですね。
山本)盛り上げていきたいし、盛り上がると思うのですよね。なんせオリンピックの華ですからね。
今後のオリンピック開催にも暑さの課題
森田)ただ、今後どうするのか。東京の次は2024年のパリなのですが、パリも今年の7月、過去最高の42.6度という気温がありました。その後2028年はロサンゼルスです。
山本)ここはもともと暑いところですね。
森田)その後は東南アジアやアフリカの都市が関心を示しています。
山本)暑いところばかりですね。
森田)小池さんも言っていましたが、夏のオリンピックを北半球でやるのは限界があるのではないですか、見直した方がいいのではないですか、と。
山本)それを言うのであれば、前回の東京五輪のときのように秋に持って来るとか、オリンピックの商業主義を根底から見直す議論をしてみるとか……無理だと思いますが。
森田)そこまでできないのですよね。今後、オリンピックのトライアスロンや馬術も競技時間を前倒しということになっていますので、この辺の日程調整も出てきます。
山本)馬も暑さにへたりますからね。
森田)あと、この予備費の1000億とか3000億とか、この辺りの使い道です。
山本)しっかりと見ていかなければいけませんね。
ザ・フォーカス
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