支配強める中国~香港への強硬策・台湾への分断策
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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(11月4日放送)に産経新聞論説委員・フジサンケイビジネスアイ編集長の山本秀也が出演。中国の香港政策について解説した。
香港行政長官が中国を訪問~中国側は統制強める方針
香港の林鄭月娥行政長官が中国を訪問、6日に香港政策を担当する韓正副首相と北京で会談する模様。
山本)ただ、先週終了した中国共産党の中央委員会総会で、香港を含めて法律をガチガチに強めて執行を遠慮なくするということを言っていますので、かなり統制を強めることを申し伝えることになりそうです。しかも、デモで中国の国営通信社の新華社のビルが襲撃を受けてガラスが割られたりしていますから、かなり強行モードで林鄭月娥行政長官に申し渡すのではないかと思います。
森田)4中総会(第19期中央委員会第4回総会)は行政長官と主要官僚の任命制度を改善するという決定を出したのですが、改善というのが要は締め付けを厳しくするということなのですか?
山本)いまは選挙委員というほとんど親中派の委員で固めている選挙母体から選ばれる間接選挙なのですが、これをもっと間違いなく中国側の意向で動くようにするのか、あるいは選挙をやめて専任制にしてしまうのかです。
森田)そんなことまで考えていると。
山本)そうなると、香港で言われている直接選挙、普通選挙をやってくれという香港の人々の要求からさらに離れるわけです。どんなに押さえつけても消すことはできませんから、抵抗は長引くでしょう。
森田)林鄭月娥行政長官は、6日に会談する韓正副首相にそういうことを言われるわけですね。
山本)そういうことでしょうね。もちろん、そうした方向性は会う会わないを別にして来ているでしょうけれどね。
台湾には官民の分断を目的とした優遇策
森田)一方で、台湾に対しては中国の個人や企業に対して優遇策を発表したようです。
山本)追加発表でしょうね。
森田)5Gの整備やテーマパークの分野で台湾企業の中国進出を促すとか、個人向けには中国本土での住宅購入で便宜を与えるというものを出しています。
山本)以前にも32項目くらいの優遇策というものを発表しているのです。つまり何がしたいのかというと、台湾の民間と経済を中国大陸に引き込んで、蔡英文総統以下の台湾政府との分断を図るという官民の分断策ですね。
森田)年明けに台湾は総統選挙があって、ここで蔡英文さんがたぶん再選するだろうというのを睨んで、政治では難しいから経済の方に揺さぶりをかけようと。それで優遇策を出しながら分断させようということですね。
山本)ただ、蔡英文さんの支持率があれだけ高まったのは中国が無茶を続けるからで、言ってみれば蔡英文さんの選挙運動を代わりにやってあげたようなものです。
ザ・フォーカス
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