日産、中間期の営業益85%減~増収増益のトヨタとの大きな差
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月13日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日産自動車が中間期で営業益85%減と発表したニュースについて解説した。
日産自動車が中間決算を発表~営業利益は85%の減益
日産自動車は12日、2019年9月までの中間決算を発表した。本業の儲けを示す営業利益は前年の同じ時期と比べて85%少ない316億円。最終利益は73.5%少ない653億円だった。日産自動車は2020年3月までの年間業績見通しも大幅に下方修正している。
飯田)カルロス・ゴーン被告が進めた拡大路線の修正に取り組んでいるとされています。これはどう見たらいいでしょうか?
高橋)業界全体がどうなっているかを見ると、ライバルのトヨタはすごく儲かっているのですよね。
飯田)最高益を更新したということでした。
高橋)ただ、他の会社もあまりよくないので、世界経済の影響は受けているでしょうね。全体的に悪いけれど、日産の組織がガタガタなので、ライバルのトヨタは漁夫の利で儲けてしまったという構図にも見えますけれどね。
飯田)トヨタの決算を見ていると、最高益が出て相当儲かっているのだけれど、その利益を設備投資や自動運転に投資しなければ回らないのだ、ということのようですね。
実用化に至らない自動運転
高橋)トヨタの自動運転は、世界のメーカーのなかでは遅れている方でしょうからね。これからは自動運転ですよ。私も待っているのですが、高速だけでもいいから自動運転を出して欲しいと思っているけれど、なかなか商業車は出ませんね。
飯田)アメリカで自動運転の実験をしていて、初の死亡事故があった話が出ましたが、日本はそれに輪をかけて規制が厳しいではないですか。
高橋)はっきり言うと、人間とどちらが危ないかという議論なのですよ。人間だって死亡事故がたくさんあるのだから。
飯田)それこそ、池袋暴走事故もそうですね。いまだに「元院長」と表記していますが、書類送検されたのだから被告でいいだろうと思います。
高橋)あれだって亡くなった2人以外にも、たくさん怪我をされているのでしょう。それと比べたら、自動運転は遥かに安全だと思います。要するに比較の問題なのです。自動運転で1人の死亡者が出た期間に、通常の人が運転した死亡事故は何人だったか、という話です。より安全な技術を選ぶべきだというのが、私の言いたいことなのですけれどね。私自身、高速で何時間も運転するのは疲れます。せいぜい2時間が限界ですし、早く高速の自動運転が出て欲しいです。中途半端な自動運転ではいけない、とメーカーの人は言っているけれど、中途半端でもいいから早く欲しいです。
飯田)乗っていて、何かあったらすぐに介入できる態勢にあれば、リスクはコントロールできるのではないかという指摘もありますよね。
高橋)少なくとも高速ではできますね。
飯田)基本的には、前について行く形になるわけですからね。
高橋)そうすると速度違反もしないし、技術的に可能なら出して欲しいのですが、躊躇していてもどかしいところがあります。自動運転をやると、田舎の方ではバスの運転手がいないと言いますが、そこが解消されますよ。過疎で交通が大変だと言うけれど、みんな自動運転でいいではないですか。人も少ないから事故も少ないので、簡単にできてしまうと思うのですが。
組織的な問題が大きい日産
飯田)日産の話に戻ると、そういった投資が必要になって来るけれども、それが厳しいということでしょうか?
高橋)組織がガタガタになっているから難しいでしょう。みんなしのぎを削っていますから、トップがどうなっているかというのは大きいですよね。経営の問題になっているような気がしますね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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