日本の卓球がここまで強くなった理由
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、元プロ卓球選手でスポーツウェアデザイナーの四元奈生美が出演。日本のジュニア卓球の育成方法について語った。
黒木)今週のゲストは元プロ卓球選手でスポーツウェアデザイナーの四元奈生美さんです。最近の日本の卓球は、世界でもトップクラスの実力になりましたけれど、日本が強くなった理由について、どう分析していらっしゃいますか?
四元)特に目立っているのが若い選手の活躍です。日本のジュニア育成のエリートアカデミーというものもありますし、とにかくジュニア育成がとても上手く行っています。小学生、中学生の有望な選手を、日本のナショナルチームのトレーニングセンターに集めて一緒に寝泊まりして、朝から練習します。
黒木)やはり、小さいときから訓練した方がいいということですか?
四元)そう思いますね。いまは小さいうちからやるのが当たり前になっていて、2歳半くらいからボールを出して、フォームはなっていなくてもいいから、とにかく当てさせる。少し大きくなって台から顔が出れば、どんどん打たせる。そしてサーブが出せるようになれば、もう試合に出します。4歳くらいから試合に出ていますね。
黒木)四元さんのお子様は小学校2年生ということですが、四元さんのところでは何歳から始められたのですか?
四元)家に卓球台があるので、もっと早くから始めさせたかったのですが、なかなかスイッチが入ってくれなかったのですよ。本人のやる気がないと駄目だよな、なんて思っていたら、小学校に入る2ヵ月前の2月にチームに連れて行ったとき、同じくらいの年齢の子どもたちがいたので、楽しいと言ってくれました。そこからはみんなについて行くために、毎日、小学校が終わった4時半~9時までは練習を繰り返しています。
黒木)ご自分の意思はあるのですか?
四元)本人が「強くなりたい」と言っています。親がいくらやらせよう、やらせようと思っても、本人のやる気がないと練習しても無駄になってしまいます。
黒木)卓球は小さいボールを強く打つので、優れた動体視力が必要ですよね。
四元)返って来るまでに0.2秒くらいなので、本当に速い速度です。目で見て、「あ、こっちかな」と考えている時間がないのですね。ラケットを引いたときに肩の動きを見て、クロスに来る、ストレートに来るということを瞬時に脳が判断して、あとは体が勝手に行っていますね。
黒木)怖くないのですか?
四元)いまやったら怖いかもしれないですね。
黒木)現役のプロの当時は?
四元)当時は怖いということはなくて、撃たれると瞬間的に手が出ている。ブロックしようと思って、手がもう先に出ている。ブロックで決まると楽しいです。
四元奈生美(よつもと・なおみ)/元プロ卓球選手・ウェアデザイナー
■1978年。東京都立川市出身。
■4歳から卓球を始め、数多くの大会で優勝。
■2001年4月、大学卒業と同時にプロに転向。
■2004年には中国超級リーグに参戦。北京チームに所属。北京チームの超級クラスでは外国人初の所属選手となり、総合優勝に貢献。
■2007年の全日本選手権で「誕生」をイメージしたユニフォームで出場。
■卓球を華やかなイメージにし、メジャーな競技にしたいという思いから、自らのウェアデザインを始める。「革命」「喜怒哀楽」「希望」等、様々なテーマで衣装デザインを手掛け大会に出場、卓球界のジャンヌ・ダルクと呼ばれる。
■2008年に全日本選手権・混合ダブルスで準優勝。
■2009年~2011年までは、自身のスキルアップの為、東京モード学園へ。2010年には、中国・広州で行われた国際卓球連盟主催プロツアー大会にて、自身のファッションショーを開催。
■2011年に結婚・出産後、2013年1月の全日本選手権に出場。
■2014年、自身のブランド「Final Winner」を立ち上げ、卓球ウェアなどのデザイン・プロデュースを手掛けている。
■現在はコメンテーター&スポーツウェアデザイナー、ママプレーヤーとして活動。
ENEOSプレゼンツ あさナビ(11月13日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳