ニッポン放送「ザ・フォーカス」(11月20日放送)に作家・ジャーナリストの河合雅司が出演。女優の沢尻エリカ容疑者が合成麻薬MDMAを所持していた疑いで逮捕された事件について解説した。
尿鑑定の陽性反応は出難く、陰性の場合も多い
合成麻薬「MDMA」を所持したとして、麻薬取締法違反容疑で女優の沢尻エリカ容疑者が警視庁に逮捕された事件。警察は違法薬物使用があったかどうかを調べるため、警視庁科学捜査研究所で鑑定を行っていたが、沢尻容疑者の尿からはMDMAを含むすべての違法薬物の成分が検出されなかった。
森田耕次解説委員)警視庁の組織犯罪対策5課によりますと、合成麻薬MDMAは大半が使用してから2~3日で体外に排出されるということです。沢尻容疑者は16日に任意で採尿しまして、警視庁の科学捜査研究所で鑑定をしていたのですが、尿鑑定の結果は陰性ということで、MDMAなど違法薬物の成分は検出されませんでした。沢尻容疑者は11月15日の夜から東京・渋谷のクラブに行き、16日の朝に帰宅したそうですが、警視庁の組対5課は帰宅と同時に家宅捜索をし、MDMAを発見しました。帰宅したときの所持品に違法薬物はなく、沢尻容疑者は「数週間前にイベント会場で知人から貰った」と説明しているということです。自宅にあるアクセサリーケースの、中敷きの下からカプセルが見つかったということで、「私のものに間違いありません」と容疑を認めており、取り調べにも素直に応じているということです。また、「有名人が薬物事件で逮捕されるたびに、私も危ないのではないかと注意していた」と話しているそうです。
河合)自ら「ここにMDMAがあります」と申告したという話になっていますね。成分が陽性反応として出て来るのが難しく、今回のように検出されない場合も多い案件ですが、所持ということで、使用していたと見られる可能性は限りなくあるわけですよね。
森田)初めて違法薬物を使ったのは、10年以上前だったと。「これまでに大麻やLSD、コカインも使った」という供述もしています。LSDは合成麻薬の一種で、幻覚作用が起こります。コカインは一時的な多幸感や陶酔感があると。いずれも麻薬取締法で規制されているものです。
MDMAは中毒治療が難しく非常に危険
河合)合成麻薬は混合物でつくっているので、何が含まれているのかすぐにはわかりません。中毒症状が出て病院に担ぎ込まれたときに、何が含まれているかわからないため、治療のしようがないという話を医師たちからは聞きます。成分の分析をして治療をしなければいけないけれど、そんなことをやっている時間がなく、亡くなる方もいるので危険な薬物になっています。芸能人だけで広がっている話なのかな、と思いますね。
森田)合成麻薬の押収量は、2014年がおよそ480錠だったものが、2018年は1万2300錠に激増しているということです。主に海外から持ち込まれるようですが、摘発件数も毎年100件前後で推移しているようですね。錠剤でカラフルなのですよね。
河合)注射針を使ったりするものに比べると、手軽に摂取しやすいので、抵抗感が少ないのかなと思います。
森田)仲間と一緒に使うことが多いということですが、命に関わるケースもあります。若い人たちが多く使っているようで、そういった面の教育も必要になります。
河合)対策と言ってもなかなか手の打ちようがないのですが、こういうものを服用した結果、何が起こるのかをイメージできるような教育、例えばビデオを見せるなどの必要があると思います。
森田)実際に中毒になった場合は、更生プログラムもしっかりとしたものが必要です。
河合)日本の場合は、なかなか確立していないところがあって、治療も大変だと聞きます。1度摂取したら2度目、3度目とならないようにしなければいけません。
ザ・フォーカス
FM93AM1242ニッポン放送 月-木 18:00-20:20
番組情報
錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。