トランプ氏のウクライナ疑惑~潮目が変わる可能性も

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月22日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。トランプ大統領のウクライナ疑惑についての弾劾調査について解説した。

トランプ氏のウクライナ疑惑~潮目が変わる可能性も

ゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)代表部米大使(ルーマニア・ブカレスト)=2019年9月5日 写真提供:時事通信

アメリカの高官がウクライナ疑惑について「トランプ氏の指示で圧力をかけた」と証言

トランプ大統領の弾劾調査を進めるアメリカ下院の公聴会で20日、ソンドランド駐EU大使は民主党のバイデン大統領候補に関する調査の見返りとして、ウクライナのゼレンスキー大統領をホワイトハウスに招待するようトランプ大統領の指示があったことを認めた。ソンドランド氏は公聴会で、「ウクライナ側が希望する首脳会議を実現するためには、ゼレンスキー氏がバイデン氏の調査を公式に表明することが前提条件だった」と断言している。一方トランプ大統領は20日、この証言について「見返りは何もいらないと彼に伝えた」と改めて関与を否定している。

飯田)これはトランプさんにとって、どうなのでしょうか?

トランプ氏のウクライナ疑惑~潮目が変わる可能性も

27日、米ホワイトハウスで「イスラム国」の指導者バグダディ容疑者について話すトランプ大統領(ロイター=共同)=2019年10月27日 写真提供:共同通信社

潮目の変化が起こる可能性も

宮家)大統領の権限を使って自分の政敵を陥れるために、ウクライナの大統領に「バイデン氏の捜査をやってくれ」と頼んでいるのですから、見方を変えれば一種の贈収賄ですよ。いままでは、どちらかと言うと、公の席ではなく、下院の委員会の秘密会での証言を受け、少しずつそれがリークされていた。しかしここへ来て、国務省や国防省の現役の官僚が議会に出て来て、平気で大統領にとって不利な証言をするようになった。22日のニューヨークタイムズには、「別の大統領だけれども、“ウォーターゲート”のエコーが聞こえて来る」と記事がありました。ニューヨークタイムズはリベラルな新聞だからこう書くのですけれども、これはある意味で米国内政の潮目の変化の始まりなのかもしれません。しかし、私もこれまで、トランプさんに関する読みは結構外れていますから、非常に慎重な言い回ししかできませんが。これがボディーブローとして効いて来る可能性は十分あると思います。

飯田)トランプさんが直接指示したかはわかりませんが。

宮家)いえ、直接指示していますね。これは間違いないですよ。

飯田)それはジュリアーニさんを使って?

宮家)ジュリアーニさんは結果であって、トランプさんが直接皆にやれと言っていますね。政府内の連中は慎重で誰もやらないからジュリアーニさんを使ったわけです。

飯田)他の人たちはやろうとしなかった。

宮家)下手をしたら法律違反になりますからね。アメリカの官僚制度のなかにも、きちんと良心が残っていて、ホワイトハウスから「話すな」と言われていても、こうやって議会で話す勇気のある人たちがいるということです。それはまだアメリカの官僚制度が健全な証拠かも知れない。

飯田)公聴会は続くわけですものね。

宮家)続きます。

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