ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月26日放送)にジャーナリストの有本香が出演。アメリカ大統領選挙の民主党候補者指名争いに、マイケル・ブルームバーグ氏が出馬表明したニュースについて解説した。
ブルームバーグ前ニューヨーク市長出馬
2020年のアメリカ大統領選挙の民主党候補者指名争いへ、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏(77)が出馬を表明した。これで民主党の候補者指名争いに参戦するのは18人となっている。
飯田)予備選開始まで3ヵ月を切ったというなかで、出馬表明です。一旦取りやめた人ですよね。
有本)今年(2019年)の初めに出るという話がありました。この方はご承知のように、元ニューヨーク市長にして大富豪です。ニューヨーク市長に立候補したときは、共和党から出ています。どういうことかと言うと、ニューヨークは元来、リベラルが強いところです。とはいえ大都市でもあり、ニューヨーク市長はリベラルだけれど中道的な、バランス感覚を要求されるのです。
飯田)ビジネスの街でもありますからね。
ブルームバーグ氏が出馬することになった民主党の背景
有本)アメリカ全体も、いまそうした大きな括りのなかでのリベラルと、民主党はそういう党派なのでしょうが、そのなかのリベラル左派がいます。例えばバーニー・サンダースさんやエリザベス・ウォーレン女史。この辺りの人たちは、一部の熱狂的な支持者はいるのだけれど、「この人たちにアメリカ全体のかじ取りはできるのだろうか?」と思っている中間層がいるわけです。そうすると、民主党は全然取れないではないかと。もともとはバイデンさんがその辺りを吸収して、最終的に候補になるという流れかなと思いきや、この人はウクライナ問題で難しくなってしまった。
飯田)息子さんの。
有本)そうですね。加えてトランプさんと対決するにしては、バイデンさんだと弱いですよね。それで誰かいないのかと思っていたところに、ブルームバーグさんが「誰もいないのなら出ようか」ということになったのでしょうね。
飯田)ただ、バイデンさんも出馬はします。
有本)ブルームバーグさんと同年代の方が多いですよね。77歳。バイデンさんもトランプ大統領も同じくらいの年代だし、サンダースさんもそうです。もちろん18人いる民主党の候補のなかには、男女さまざま、背景もさまざま、年齢もさまざまで、多様な候補がいます。しかし最終的には、いま申し上げたように、いちばんのボリュームゾーンに訴えかけられる候補でなければ厳しい。
飯田)党内予備選は、より左派の方が受けますが。
有本)喝采は浴びるのですが、本選でそれが強いということにはならない。中間層を取り込むために、ヒラリー・クリントンさんにもう1回出てもらってもいいのではないか、という声もあるようですが。
飯田)そんな噂まであるみたいですね。
有本)基本的には、本選で負けた人は候補にならないというのが。
飯田)不文律のようなものがありますね。
どれも物足りない民主党の候補
有本)それくらい候補が求心力を持たない形になっているのです。それは、いまのアメリカ民主党の悩みを表しているのではないでしょうか。ざっくりとリベラルのような言い方をされますが、中間層の人たちはトランプ支持を積極的に言わないまでも、それなりの実績を認めている底堅い支持があるのです。前回の選挙でも隠れトランプなんて言い方をされましたが、それなりにアメリカをもっと安全にしようとか、中国との貿易戦争なども含めて「いままでのことを軌道修正しなくてはいけない」という思いは、誰のなかにもあった。そこで実行力を持つ人は誰なのかというと、「民主党の候補ではどれも物足りないよね」という話になる。
飯田)超党派で、いまの香港人権・民主主義法案を可決して来たという流れがありますが、ヒラリー・クリントンさんはかなり中国と親しいという話もある。
有本)そうですね。中国とも親しいけれど、前回の大統領選挙では、中国に対して厳しいことも言い出していました。日本人は一旦仲よくなるとずっと誠をささげてしまうところがありますが、アメリカの政治家は日本の政治家と違って、そういう考えはないので、そこはわかりません。しかし、過去には不適切だと思われる中国との付き合いもあったことは、かなり信憑性を帯びて伝えられていますから、いまの局面ではあまりふさわしい人とは言えないでしょうね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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