菅官房長官が沖縄を視察した本当の狙い
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。菅官房長官の沖縄視察について解説した。
菅官房長官、沖縄を視察
菅義偉官房長官は21日と22日、沖縄県を訪れ、火災で主要施設が焼失した首里城などを視察した。沖縄のシンボルである首里城復元に向けた県との連携をアピールし、政府の取り組みに対する理解を得ることで、アメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反発する県民感情を和らげる狙いがある。
飯田)一方で、読売新聞が辺野古移設の工期を、政府が10年程度と見積もっていると報じたことに対して、22日に官房長官は「現時点で工期などの内容についてお答えするのは困難」と述べています。当然そこも視野に入れていますよね。
須田)辺野古移設の工期ですが、軟弱地盤があって杭を打ち込まなければならない。政府が言っている「10年程度」というのは、最短でのものです。これから沖縄県の全面的な協力が得られた上での工期です。いまの状況が続くと、10年以上かかるのではないでしょうか。
首里城再建への協力で沖縄サイドの基地移転への軟化を狙う政府
須田)では、どうやって沖縄県と折り合いをつけるかですが、首里城の再建という問題が出て来ました。前回の沖縄県知事選挙で、唯一にして最大の焦点だったのが辺野古移設問題ですが、それに対して玉城知事は県民や有権者が納得するような結果を出せていません。何らかの実現をせねばならないというときに降ってわいたのが、この首里城再建問題です。これをスムーズに進めて行くことが必要になる。それを政府も見ていて、「ここが攻めどころではないか」と。何とかして沖縄県サイドの、辺野古移設への軟化を狙う動きが出て来たのです。もちろん、知事サイドはそれに対して強い警戒感を持っています。首里城再建をスムーズに進めたいけれども、前のめりに進めてしまうと、相手の術中にはまってしまう。そういう矛盾を孕んでいるのではないでしょうか。
飯田)普段、官房長官が東京を空けることはないですよね。動いたということは、沖縄に対してのメッセージ、また官邸の本気度を示すためのものでもあったのでしょうか?
須田)そうですね。首里城も視察するというところで、玉城知事と面談を果たすような、ある種セレモニー的な要素も盛り込まれたものです。それと、沖縄県議会選挙が来年(2020年)控えています。そこに向けて、自民党県連に対して檄を飛ばすということも含まれていました。
来年度予算の隠し玉として浮上する沖縄のIR
飯田)来年度の予算、今年度の補整ということも前にしながら、という時期ですよね。
須田)そうですね。隠し玉として、IRが浮上して来る可能性が高い。北海道が辞退しました。大阪は8割がた決定だと思います。当初は3ヵ所なのですが、強く希望している和歌山は、関空を利用し合うなかで大阪・和歌山というのはちょっと無理だろうなと思います。
飯田)近い場所で2ヵ所つくることは難しい。
須田)そうなると沖縄が浮上して来るし、沖縄にとっても大きなメリットがある。この辺りを材料に、来年の県議選が動くのでしょうね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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