辺野古移転反対70%超~県民投票の結果に国は向き合うべき
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月25日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ラジオ沖縄の小磯誠を交え、昨日行われた沖縄県民投票の結果について解説した。
沖縄県民投票〜辺野古「反対」72%
沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設を問う県民投票は、昨日投票が行われ、投票率は52%。反対が有効投票の72.2%に達した。これを受け玉城デニー知事は結果を安倍総理とトランプ大統領に通知し、辺野古移設を断念するよう求めている。
飯田)反対票が有権者の4分の1に達したということで、沖縄県は反対の民意が明確に示されたとして、日米両政府に移設計画を断念するよう働きかけを強める見通しです。ただ、これには法的拘束力は無いということも指摘されています。まずは現地沖縄で取材を続けていらっしゃいます、ラジオ沖縄の小磯誠デスクに詳しく伺って行きます。まずはこの結果についてどう受け止めてらっしゃいますか?
投票率50%を越えたということは沖縄の民意が示された数字
小磯)投票率も注目されているところだったと思いますが、住民投票条例という形では、50%が1つの指標と言われています。一応、52%台でそれは超えたということで、玉城知事にとってはホッとしたという数字ではないかと思います。
それから反対もかなり出たということで、数字上では沖縄の民意が示されたことが言えるのではないかと思っています。
飯田)投票まで告示からだいぶ期間もありました。現地の雰囲気はどういった感じだったのでしょうか?
小磯)県民投票を行うべきだという声はかなりありました。その一方で、県民投票を行う必要は無いのではないかという声もあることはありました。それが結局、紆余曲折して県民投票になった一連の流れ、その辺りに表れているのかなという感じもします。
飯田)その紆余曲折の1つに、2択だったものが3択になった「どちらとも言えない」という選択肢が出て来ました。そこは論点になったのですか?
小磯)県政与党側は県民投票をやって圧倒的民意を示して、これを背景に交渉したいという思惑がある。一方で自民公明をはじめとする野党側は、県民投票はしたくないという方向もあった。ただ、県民投票をすべきだという世論的なものもあって、結果的に妥協の産物という形になったのだと思います。「どちらでもない」とは、県民の1つの悩みと言うか苦悩と言うか、その表れの文言を1つ付け加えることによってようやく県議会でまとまって、投票の形になったのです。その「どちらでもない」が入ったということはやはり、県内の苦悩が表れているかなという感じもありますね。
須田)今回の県民投票で反対とする人たちが多数を占めるのではないか、ということは事前に予想されていましたよね。この結果を受けて県民の方々は、これで工事が止まると思ってらっしゃるのでしょうか?
今回の結果は大きい
小磯)これによってすぐ止まるだろうと思う人は多くないのではないでしょうか。県民投票の前から、国は粛々と進めるという話はしていますし。ただこれによって圧倒的に民意を示す、つまりいままでは、前回の県民投票は基地整理縮小などといった、どちらかと言うと全体的な話だったのですが、今回は辺野古の問題ということで行われた投票なので、これはやはり大きいのではないかという声はあります。
飯田)52%の投票率だったということは、一方で48%投票されなかった方がいらっしゃった。「棄権とは結果への白紙委任だ」と言われます。そう考えると反対が多数ということになりますが、小磯さんも指摘された沖縄の皆さんの苦悩ということを考えると、一概に反対というところまで行くのかどうか難しいと思うのですが、この辺りの投票率はどう考えたら良いですか?
小磯)その前に、県内での全体的な考え方としては、やはり基地は要らないかなということがあります。そのなかで、まったく反対という方と、国と協調して経済振興して、そこから平和な沖縄を取り戻して行こう、という方など、いろいろな考え方があります。48%の方が行かなかったのは、やはり普天間はどこかに持って行って欲しいけれども、その負担を他にかけるのは心苦しい。また自分の身内が軍関係で働いていたりして声が上げづらいと。そういった意味で自分の悩みなどが内包されていると言うか、そのような数字ではないでしょうか。
飯田)この先アメリカにも働きかけて行くし、日本政府にも働きかけて行くということですけれども、この先も玉城デニー知事としては、この民意を背負って交渉を進めて行く方向になるのですかね?
圧倒的な民意を背景に交渉するも、移設を阻止する決定的な策はない
小磯)圧倒的な民意を背景にということで、今週安倍総理と会う予定があるとも伺っていますが、まずそれで交渉という形になると思います。ただ知事はあらゆる手段を使って辺野古移設を阻止すると言っていますが、実際のところは、決定的な策が無いのが現実です。
対する国の方も、初めてこういう形で示された。しかも50%を超えたということで、いままでのように強硬に出られるだろうか。この後、4月に沖縄では衆議院議員選挙、玉城知事が出たことによる補選があるわけです。それから夏は参議院選挙がある。そのような政局も絡んで、この後の動きはどうなって行くのか、注目して行きたいところではあります。
飯田)前回の住民投票のとき蝟集された、地位協定の見直しなども含めて政府と交渉するなり、動かして行く可能性はあるのでしょうか?
小磯)まずは辺野古の問題に絞ってということになると思います。今回の県民投票はその一点に絞って行われた投票ですから。
飯田)なるほど。これを受けて法的拘束力が無いことも含めてですが、政府としてもどう対応して行くかは悩みどころですね。
須田)法的拘束力が無いのですが、玉城知事としてはこの県民投票の結果を尊重してこれを実行して行く、その義務を負ったのです。重い十字架を玉城知事も背負った。それが故に、国もきちんと向き合って行く必要があると私は思います。
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