中国企業「500ドットコム」が日本の政治家へ近づいた本当の目的
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月7日放送)にジャーナリストの有本香が出演。IR汚職に関する500ドットコムの存在について解説した。
IR汚職~下地議員が現金受領を認める
日本維新の会の下地幹郎衆院議員は6日に記者会見を開き、IR汚職事件で逮捕された中国企業の元顧問から選挙資金として現金100万円を受け取ったものの、収支報告書に記載していなかったことを認めた。これを受けて日本維新の会の松井一郎代表は議員辞職すべきとの認識を示している。
飯田)2017年10月、選挙期間中に事務所の職員が500ドットコム側から100万円を受け取っていた。でも、収支報告書には記載がなかったということがありまして、ご本人も離党の意思を示しています。
有本)進退をどうするのかということです。このIR汚職のニュースに関しては、私も年始から取材をしています。今回、逮捕されてしまった秋元司議員の他に5人の名前が挙がっていて、この下地幹郎さんは元閣僚ですよね。
飯田)民主党政権時代ですが。
下地氏は早く認めることで傷を浅くする狙いか
有本)名前が挙がっているなかには、もう1人閣僚がいらっしゃるという状況で、下地さんだけが認めたのです。取材をしているなかで、供述などで名前が出ている人は30人くらいいると聞いています。30人というのは党派をまたいでいます。これからそういう人たちについて、どれだけの情報が出て来るかということです。下地さんが500ドットコム側と、どれだけの関係だったかということは全容がわかりませんが、いまの段階で、この100万円について「もらったけれど収支報告書に記載していませんでした。申し訳ありませんでした」と言ってしまったということは、ある意味で傷を浅くしようとしているのかなという感じがします。
飯田)ここでの幕引きという。
500ドットコムの狙い~IR事業を入り口に日本政界に入り込む役割か
有本)ここから先、既に名前が挙がっている人、つまり地検から任意で話を聞かれた人たちに新たな事実が出て来たりすると、一旦は否定したのに、ということになるではないですか。致命的になりかねないわけです。下地さんとしてはそうではない形をとったということですが、そういう議員個々の展開以外に、この問題は不思議だと思いませんか? というのも、500ドットコムという会社はIR事業に参入することを目的に、日本の政治家に対して工作していたというわけですが、この会社自体にはIR運用の実績はないのですよ。
飯田)オンラインのくじなどの実績はあっても。
有本)ギャンブル依存症対策を含めた売り込みをしていたというのです。ただ、そういうことがそんなに大きな収益源になるのかと思うでしょう。これはおそらく違うと思います。それをきっかけにして日本政界に工作をかけることや、IR事業を入り口にして、いろいろな情報を取るということ。情報ネットワークの世界に入ることを目的としていたのでしょう。単なる民間企業ということですが、中国の場合にはいくらでも体制側と結びつくことができます。彼らが入り口として考えていた、北海道や沖縄での大展開がなくなるわけです。いま私が調べている段階である程度言えることは、500ドットコムはカジノ事業そのもののコアの部分にノウハウを持っているわけではない。だから、それ以外の大きな会社、IRそのものを運用できる会社と組んでものごとを進めようとしていたのだけれど、その橋を外されてしまって、それで全部ぶちまけるということになったのではないかというのが、私の見立てです。
飯田)500ドットコム側から、いろいろな供述が出て来ていますものね。
有本)ここの役割というのは、コアに入り込む役割ではなかったということです。そうすると、奥が相当深いです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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