ゴーン被告を逃亡に導いた2つの問題点
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月7日放送)にジャーナリストの有本香が出演。ゴーン被告の逃亡に関する日本の管理体制の問題点について解説した。
カルロス・ゴーン被告~8日午後10時から会見へ
レバノンに逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、日本時間の8日午後10時にベイルートで記者会見する予定であると、フランスの公共ラジオがゴーン被告の広報担当者の話として伝えた。
飯田)6日は森法務大臣が会見を行い、ゴーン被告が日本の刑事司法制度を批判していることについて、「そういったさまざまな指摘と、今回不正に出国したことは別問題と考えているので、逃走したことを正当化する理由にはならない」と述べています。
明らかになった2つの問題点~保釈中とプライベートジェット機での出入国の管理体制
有本)それはまったくその通りだと思います。今回、いくつか問題点が明らかになったと思います。1つは保釈中の在り様ということです。諸外国、特に先進国である程度の人権を尊重するという体制のなか、今回のような緩い監視体制で保釈中を過ごせるのはいかがなものかということがあります。ただ、ゴーン被告に関してはそもそも保釈を求めていた段階で、弁護側からいろいろな条件を提示していたということも言われています。保釈中はGPS器具を体につけて過ごす国もあるようですから、そうすべきではなかったかということが1つ。それから、プライベートジェット機での出入国の体制です。出入国に対しては、全体的に日本での在り方への問題提起があるのですが、私はプライベートジェットで入って来る人については、専用ターミナルなどを拡充した方がいいと思っています。ただし、今回のようにそこが抜け穴になってしまうようではいけないし、従来もそういうことがあったのだろうかということです。ここの問題をきちんと解決しないと、「オリンピックがあって多くの人が入って来ます、よかったですね」という話ではいられないということです。
飯田)外国人観光客の方々を増やそうという政府の方針があり、日本国内でいろいろなお金を使ってもらって経済を回して行こうという政策と、今回のプライベートジェットの問題は、切り分けて考えなければいけないということですか?
有本)ICAOという国際的な航空に関する取り決めがあるのですが、このなかでも自由裁量にされているのですよね。
飯田)それぞれの国に任せられている。
逃亡依頼で民間警備会社へ動いた多額の金
有本)ここがむしろ問題なのですが、日本国内でのプライベートジェットについて、専用施設での体制をしっかりして行くべきだろうということは、課題として残ったと思います。問題のゴーン被告ですが、1つはお金の流れです。この逃亡に少なくとも数100万ドルのお金が動いているだろうと。7日の朝刊では、2人の男と日本国内を移動したということでしょう。
飯田)朝日新聞の一面トップですね。
有本)朝日新聞に書いてあるかはわかりませんが、どうやらこの人たちがアメリカ国籍だということまで特定されていますよね。
飯田)報道によれば、元特殊部隊だそうですね。
有本)元特殊部隊の人が所属している、民間の警備会社ですよね。そういう人たちに仕事を頼んだのでしょうが、こういうことが普通に日本の国内で、やりたい放題やれるということが問題なのです。その人たちに頼んで逃亡劇を繰り広げれば、当然大きな額のお金が動いています。このお金の流れを追って、ゴーン被告の在外資産の動きを止めることから始めることになるのではないでしょうか。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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