ゴーン被告、逃亡には民間軍事警備会社を利用か
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月3日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。カルロス・ゴーン被告がレバノンへ逃亡した問題での支援体制について解説した。
プロに高額の報酬を払ったゴーン被告
カルロス・ゴーン被告がレバノンへ逃亡した問題で、レバノンの複数メディアがゴーン被告は民間の軍事警備会社の支援を受けて日本の地方空港から出国したと報じた。一説では楽器箱に隠れて逃げたとされているが、これについても情報源は明らかにされず、信ぴょう性は不明のまま。
飯田)そして、ゴーン被告は「家族の関与はなく、1人でやった」と声明を出したということです。
宮家)そこは調べていけばいいと思います。いずれにせよプロに頼んだことは間違いなく、高額の報酬を払ったことは間違いないでしょう。そうでないとこれだけのオペレーションはできないはずです。
飯田)もう作戦の類ですか。
軍事会社の雇い主が「政府」から「個人」へ
宮家)誰に頼むか、普通は政府の諜報機関がやるような話ですよね。しかし、公には頼めません。やはりそこにはプロがいるのですよ。それで民間軍事会社と呼ばれているところに頼んだのでしょう。私にも経験があって、イラク戦争の後にバグダッドへ行って、グリーンゾーンという占領軍の組織のなかで半年間働いたのですよ。そこで実際に警備をやっていたのは、全て民間の警備会社でした。実はこの人たちは怖いのですよ。元軍人だから、格好は完全な軍人で、本当に銃をぶっ放すのですよ。アメリカ軍の方が遥かに抑制されています。この民間警備会社の人たちは危険だと思ったら本気で撃ちますから、本当に怖かったです。ブラックウォーターという会社が当時あって、それが周りにうようよいて怖いなと思いました。要するに、米軍のアウトソースなんですよ。湾岸戦争のときは9000人くらい使っていたのですが、イラク戦争のときには16万人使ったという話ですよね。16万人といったら小さな軍隊です。そういう人たちがちゃんと生活できるような契約を米軍がアウトソースしていました。
彼らが何をやっていたかというと、米軍兵士の命がどんどん大事になってくると、嫌な仕事や面倒くさい仕事は民間の彼らに全部やらせるのですよ。昔はそういう形で雇い主が軍や政府であることが多かったのですが、最近は戦争がないでしょう。会社はいろいろな形で仕事を引き受けるわけですよ。いまは個人にもお客さんがいるのだと思います。もちろん確証があるわけではないけれど、恐らくゴーンさんが個人で多額の報酬を払って会社に頼んでやらせた。奥さんが関係ないというのは本当かもしれません。お金さえあればこういうことはできると思います。
飯田)保釈金の15億円だって、それをドブに捨ててもいいというような行動ですね。
宮家)どれだけ自由が欲しかったのか。自由をそういう形で買うのはいかがなものでしょうか。違法ですからね。だけど、そういう需要がある限り、こういう供給先はあるのです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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