就職氷河期世代の正規雇用~一方で中高年襲う「黒字リストラ」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月15日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。内閣府が就職氷河期世代から正規職員を採用するというニュースについて解説した。
内閣府の中途採用枠、680名が応募
内閣府は2020年4月に就職氷河期世代から、若干名を正規職員として中途採用する。14日の発表ではおよそ680名の応募があったとされている。
飯田)かなり狭き門になっていますね。
佐々木)30代半ばから40代半ばのロスジェネ世代が1700万人。そのうち合格者は若干名。そうやって取り組んでいる姿勢を示すのは悪くないです。数日前に読んだ記事で、「黒字リストラ」という言葉がありました。
飯田)毎日新聞が15日にも出していますが、もともと日経が書いていました。
「黒字リストラ」のために切られるのは氷河期世代
佐々木)黒字リストラとは何かというと、企業の業績がよくてリストラする必要はないのだけれど、デジタルコンバージェンスや若手の優秀な技術者が、中国企業では初任給の年収が1000万円だというので、給料を上げなければいけないという話になっている。そのため人件費の原資として、要らない中高年のリストラ分を充てる。その要らない中高年というのが40代半ばから50代前半で、就職氷河期世代なのですよ。就職氷河期で正規雇用がなく悲惨な目に遭って、それでも頑張って終身雇用の大企業に入れた人たちも、いまになって見捨てられてしまうということです。氷河期世代は誰も得しないまま、時代が終わる気がします。飯田さんも氷河期世代なのですよね。
飯田)おっしゃる通りです。氷河期世代はそういう経験があったからかもしれませんが、とにかく自分を守ろうとするので、困っている人たちに対する政策的な手当の議論が盛り上がらないし、上の世代はケアしてくれない。
佐々木)こんなに苦労してここまで来たのに、なぜ他の奴が、という。例えばホリエモンは氷河期世代ですが、新自由主義的なところがあるのはそのせいだと思います。
飯田)いまこそ政策の力を借りるべきはずなのですがね。
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