少子化問題~人口減少よりも深刻なこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月11日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。少子化問題について解説した。

少子化問題~人口減少よりも深刻なこと

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

2019年の出生数87万人を下回る可能性

衛藤少子化対策担当大臣は10日の閣議後の記者会見で、2019年の出生数が87万人を下回る可能性があることを明らかにした。90万人を下回ったのは1899年の統計開始以来初めてで、2021年と見込んでいた想定より2年早いことになる。

飯田)衛藤大臣は記者会見で、深刻な事態であると話しています。

高橋)人口減少そのものは、大した話ではないのです。これを予測できるかできないかがポイントなのです。人口は出生率の予測が難しいのですが、出生率さえ合えば、あとは自然の摂理で亡くなって行きます。出生率さえわかれば、人口の推計は比較的簡単なのです。だから、推計して当たるか当たらないかということです。

少子化問題~人口減少よりも深刻なこと

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人口減少ということよりも、計算を間違えてしまったことが問題

高橋)私は人口については、「推計して予測が当たっていれば問題はない」と発言しています。予測が外れた場合、「どのくらい外れたか」が問題なのです。今回の数字は2017年に人口推計しています。このときには、90万人を切るのは2021年でした。2019年は92万人の予測だったのが、87万人になってしまった。人口減少が深刻というより、こんなに近い年でこれほど計算を間違えたということが深刻なのです。

飯田)どうして間違えてしまったのですか?

高橋)私もこれをやったことがあるのですが、途中できちんと推計しなかった人がいるのですよ。

飯田)最後はそういうものなのですね。

高橋)通常は式で推計するのですが、幹部にそれを飛ばす人がいると狂います。それがなければ簡単に当たるのですが。答えを見て「んー」と言う人に限って、数式がわからない人なのですよ。

飯田)詳細な分析はこれからかもしれませんが。

高橋)これからです。何が深刻かと言うと、人口が減るということ以前に、人口の推計が間違っているということです。

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経済的には20年先にどうなるかが問題

飯田)出生率の増減にいろいろ影響があると思いますが、経済については大きいですか?

高橋)すぐに影響はないです。生まれた人たちが大人になったときに、社会保障制度などに影響が出て来ます。20年ほど経つと、保険料を払う人が減るでしょう。そうやって、後に影響が出て来ます。当面は子どもが少ないから養育費がかからないなど、支出が減るから楽になるのです。でも、先の20年ぐらいにどうなるかが問題です。

飯田)今回は5万人の誤差が出ました。去年(2018年)、一昨年(2017年)は話題になっていなかったのは、そこまで誤差がなかったということですよね。

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過去は結論を先にして数字を作っていた

高橋)それが今年(2019年)だけの特色なのか、最初から外れていたのか。もし最初から外れていたのであれば、確信犯になります。恣意的にしない限り、そこまで予測は外れません。この出生率は、過去においては意図的にやったのではないかというくらいに外していました。私は2002年にやりました。そのとき「こんないいかげんにやっていたら話になりません」と言ったら、何も言われませんでした。それは当たっているからですよ。

飯田)それこそ、90年代の予測だと…。

高橋)無茶苦茶ですよ。

飯田)団塊ジュニア世代が子どもをどんどん生むから、人口問題は収束するという予測もあったではないですか。

高橋)それは結論が先にあって、必要な数字を先にあげて計算して来たのですよ。

飯田)年金の支え手の話ですか?

高橋)そうです。「必ずこのように戻る」と。でもそこに根拠はなく、希望的観測です。

飯田)そこに不景気があり、そもそも論として、結婚ができないという就職氷河期世代の人たちが溢れましたよね。

高橋)世界的に出生率が低下傾向というのは否めません。低下傾向を所与として受け止めて、どうしたらいいのかを考えるだけなのです。

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