小泉大臣が育休取得をする意味~先駆けとして期待も取り方は中途半端か

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(1月15日放送)に作家・ジャーナリストの河合雅司が出演。小泉大臣の育休取得について解説した。

小泉大臣が育休取得をする意味~先駆けとして期待も取り方は中途半端か

安倍晋三首相と菅義偉官房長官へ結婚の報告を終え記者団の質問に答える自民党・小泉進次郎(左)と滝川クリステルさん=2019年8月7日午後、首相官邸  写真:産経新聞

小泉環境大臣、育児休業取得の意向を表明

小泉進次郎環境大臣は、1月中に予定される第1子誕生後の3ヵ月間に2週間ほど、育児のための時間を確保する考えを示した。小泉大臣は滝川クリステルさんとの結婚後、育児休暇の取得を検討していたが、その後「環境省職員にとって育休の取りにくい環境を残したまま、自分が取るわけにはいかない」などと否定的なコメントをしていた。しかし今回、次のように述べて育児休暇を取得することになった。

 

小泉環境大臣)これまで言ってきた通り、公務最優先、そして危機管理万全という条件で、通算2週間の育休を取得したいと考えています。私がいちばん願うのは、政治家の育休自体がニュースにならない世の中になることを、みなさんと共につくって行きたいと。

 

森田耕次解説委員)小泉進次郎環境大臣は「どのように育休を取るかとても悩んでいた」とも述べていました。具体的な休暇の取り方としては、1月召集の通常国会や閣議、危機管理などの重要な公務を除いた業務の一部を、副大臣や政務官に代行して貰うと。また出勤時間や退庁時間を調整する他、テレビ電話による打ち合わせやメールによる報告で、育児の時間をつくるとしています。短時間勤務やテレワークを組み合わせるような形で、第1子が誕生されてからの3ヵ月間に合計2週間、育児のための時間を確保するということのようですね。

河合)「空気を変えて行く」と発言されていたようですが、なかなか難しいですね。もちろん国会議員が育休を取るということ、特に小泉さんのように注目を浴びている議員が取ることの意味は、大きいと思います。

森田)国会議員に育休の規定はないようですね。

小泉大臣が育休取得をする意味~先駆けとして期待も取り方は中途半端か

ニッポン放送「ザ・フォーカス」

小泉大臣の育休取得は中途半端か~子育ての向き合い方に注目

河合)いままでも育休を取っている国会議員はいるので、こういうことが普及して行くのが世の流れだろうと思います。ただ、大臣という立場になると、そう素直に評価していいのか疑問です。大臣には代わりがいませんから、大臣を辞めて1国会議員として取るやり方もあったと思うのです。中途半端なことになってしまいかねないという懸念はあります。また、取り方もどうなのかなと思います。通算で2週間ほどになるように3ヵ月間かけて取って行くということですが、このやり方にはどういう効果があるのでしょうか。取るのだったらもっと積極的に、堂々とたっぷり取ったらどうかと思います。2週間だったら2週間連続で取ったほうがいいわけで、こういうとり方となると大臣(の業務)とは両立し辛いと思います。(3ヵ月間かけて2週間分の育休を取るといったような)こういうやり方で、奥さんが助かる状況になるのかというと、あまり成果が現れないのではないかという気もします。

もっとも大事なのは、育休を取るか取らないかの話ではないのです。育休期間だけ子どもがいるわけではなくて、その後も成長するまでに手のかかる時期がたくさんあります。ずっと続く子育てにどう小泉大臣が向き合って行くのかということを、我々は見ています。オピニオンリーダーでみんなの注目を集める人が、新しい子育てのありようを体現することによって、初めて一般の人に今回(小泉大臣が)育休を取った意味が伝わって行くのだと思いますよ。小泉さんにはそこまでやっていただきたいという期待をします。

森田)男性の政治家だと広島県の湯崎知事や、三重県の鈴木英敬知事が育児のために休暇を取った例があるようです。

河合)鈴木さんとはこの前お会いして、お話を伺いました。知事をやりながらの育休も大変だと思いますが、知事就任前から県職員の育休率がかなり上がって来たという話も伺いました。いままでなかなか育休と縁がなかった業務の忙しい人たちも、取ることが当たり前の社会になって来ているというところです。だんだんそうやって広がって行くのだと思います。

森田)小泉大臣も鈴木知事に電話をかけたそうですね。

河合)アドバイスを受けていたということです。

小泉大臣が育休取得をする意味~先駆けとして期待も取り方は中途半端か

ニッポン放送「ザ・フォーカス」

育休取得率は上昇傾向

森田)一般的な男性の育児休業ですが、厚生労働省の調査では取得率6.16%。昔は1%と言っていたので、それよりは上昇していますが、女性の育児休業取得率は82%以上なので、この差は大きいということですよね。

河合)フランスでは強制に近い形で、男性が2週間くらい育休を取るのですよ。「夫から父親になる2週間」という言い方をするのですが、ここの間におむつ替えから何から全部を、お父さんがお母さんの代わりに体験するのです。これがフランスの少子化対策にもつながっていると言われます。そういったことも含めて、小泉さんも2週間くらいまとめて取られたら、もっと育休に対する国民の考え方が変わるのかなと思います。3ヵ月の間で2週間分の育休取得というのは、かなり中途半端な気がしますね。

森田)国家公務員の方は12.4%まで男性の育児休業率が上がって来ていて、政府は今年(2020年)までに公務員、民間共に13%を目標に掲げているということですが、職場も人手不足で難しい面がありますよね。

河合)大きな組織だと人手のやりくりもつくのですが、小さな事業所では1人休暇を取ってしまうと仕事が回らないということがあって、本人の思い通りに取れない状況もあるでしょう。

森田)職場環境が改善されるかどうかも大きいですよね。

番組情報

ザ・フォーカス

火曜〜木曜 18:00-21:20

番組HP

錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。

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