ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月23日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。東京オリンピック開催中の帰宅対応のために各鉄道で終電の延長、増発が実施されるというニュースについて解説した。
19の鉄道で終電繰り下げ・路線増発
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会と東京都は22日、大会期間中の混雑や深夜までの帰宅対応のため、列車の増発や終電の延長について詳細な実施計画を発表した。それによると19の鉄道会社がおよそ60の路線で終電時間を延長。また日中でもおよそ30の路線で増発が実施される方針。
飯田)混雑で最寄り駅との間も時間がかかるということで、かねてから終電のダイヤ変更は組織委員会と東京都が要請をしていたそうです。今回はそれに応える形になりました。
鈴木)この対応は必然的で、鉄道は私鉄も含めて前向きに対応するということです。しかしオリンピックに関して言うと、終電を繰り下げたりするということは、それなりにお金がかかります。
飯田)そうですね。
会計検査院と国の間でオリンピック予算の経過金額に大きな差
鈴木)必要経費ですね。そういうものをある程度、国や東京都が予算化しなければならない部分が出て来る可能性があるわけです。オリンピック予算は1つのポイントで、去年(2019年)12月上旬に会計検査院が、これまでのオリンピック予算の経過を、国会の要請を受けて調査、検証をして発表しました。あまり報道されなかったのですが、国はこれまでの間に「2600億円ほど予算を使っている」と言っています。しかし、会計検査院の出した調査の結果によると、これまでに「すでに1兆円を超えている」と。数字が4倍違うのです。なぜ相違が出るのかというと、会計検査院が調査したのは「オリンピックに関連するいろいろなもの」をまとめたら、そういう金額になっていると。国は「それは関連予算ではありません、オリンピック予算ではありません」と言っている。その食い違いなのです。
飯田)なるほど。道路整備があれば、「これは都市整備の一環ですから」とも言えますし、「オリンピック対応で人を運ぶためです」とも言える。
鈴木)そうです。これをどちらにカウントするかでお金は変化しますが、会計検査院が各役所や霞が関で調査を行うと、「どう見てもこれはオリンピック関連予算ですよね」というものがけっこうあります。それを国は「違います」と言って、少なく発表をしている感じがあります。ですので、しっかりと調べなくてはならないのですが、そのなかに人員の輸送に関するものもあります。それも会計検査院は「オリンピックに関連していますよね」と言ってカウントしています。しかし、国は「それは関連予算ではありません」と言っているなかに、今回のようなものも含まれているのです。
オリンピックの予算についてメディアが確認する必要がある
鈴木)私たちは常にオリンピックに関して、何か動きが変わるのであれば、そこには税金である予算がついているということをその都度チェックしなければなりません。今回も「予算はどうなっているのですか?」ということは、私たちメディアが確認しなければなりません。お金が膨れ上がったら「都市型コンパクトオリンピック」と言っていたのは、一体どこに行ったのだろうかという話になります。そこを低価格で行うことによって、お金のない国もオリンピック実施に手を挙げられるように、日本が、東京が安く上げようというのが今回の狙いです。このことによって、予算が陰で膨れ上がっていたら大変なことです。これをきっかけに予算のチェックをみんなでするべきだと思います。
飯田)都議会もこれから本年度予算を行いますものね。
鈴木)国もそうです。オリンピックの予算チェックというのも、この国会の1つのポイントなのです。
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