ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月4日に放送)にジャーナリストの有本香が出演。中国企業「500ドットコム」の実態について解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。
IR汚職をめぐり東京地検特捜部が秋元議員を追起訴
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への参入をめぐる汚職事件で東京地検特捜部は3日、中国企業側からさらに385万円相当の賄賂を受け取っていたとして、衆議院議員の秋元司容疑者を収賄罪で追起訴した。賄賂額は前回の起訴分と合わせておよそ760万円相当になる。
新行)また東京地検特捜部は、中国企業「500ドットコム」側が現金を渡したと供述した自民党の岩屋毅前防衛大臣ら衆議院議員5人や、秋元容疑者の中国旅行に同行した白須賀貴樹衆議院議員の立件を見送りました。
有本)「IR汚職」とずっと言っていますよね。IRとは統合型リゾートのことで、カジノを含んだあらゆる施設を統合したリゾートということです。ここに参入を図るために、議員にお金を渡したということになっています。実はこの事件は、非常にわかりづらい事件です。
「500ドットコム」とはどういった会社なのか
有本)お金を渡したとされている中国企業の日本法人「500ドットコム」ですが、この会社の来歴を調べてみました。会社は2017年に設立しています。私も行きましたが、この会社の日本支社の場所は数十年経っている古めのマンションのようなビルの一室で、そこが最初の本社でした。その後は、レンタルオフィスです。最初に設立された古い部分も、4社ほどが同じ住所で登記されていました。つまり本社をただ置いているだけで、実体がないのです。そこに本社があるようにして、数名の日本人が500ドットコムの日本法人の人間だという名刺を持ち、IRを切り口にして今回の秋元容疑者など、いろいろな人に近づいて行くのです。日本の民間コンサルのような人も絡みながら、IRに関するセミナーなどを行って、議員との接点を増やして行く。しかし500ドットコムという会社は、中国の事業においてもIR事業とは関係がありません。
新行)IRの事業を行っているというわけではないのですか?
有本)全然ないのです。サッカーくじをやっていた会社で、ほとんど実態がわかりません。ですので、この背後には中国の幹部ともつながりがあると思われるような企業や、IR関係の企業、あるいはカジノを運営している大企業などがあります。しかし、500ドットコム自体はそのフロントのような役割です。むしろ日本の政界に、お金を含めて接点をつくることが目的の会社だったのではないでしょうか。実際に参入して事業を行いたいということではなく、とにかく日本の政治家を取り込むことが目的の会社だったのではないか、というようにしか思えません。
新行)そして情報を取るということですよね。
日本政界に浸透するための会社であった可能性~対策が必要
有本)情報を取ってシンパをつくるということです。おそらく日本の政界にどんどん浸透するための、切り込み隊長のような役割の会社だったのでしょう。よって会社の実態、事業の実態はほとんどないのです。そういった意味では、気味の悪い話です。
新行)そうですよね。
有本)ここで考えなければならないのは、秋元議員が追起訴をされました。しかし、他のお金を貰っていたとされる人に関しては、今回は立件を見送ったということですよね。これにより何となく立ち消えになってしまう可能性があります。ですがいま申し上げたように、日本の政界にじわじわと浸透して来るひとつの駒だと考えると、例えばオーストラリアや台湾といったいろいろな国々が近年、中国からのロビー活動や政治的影響力に対して、政治的に浸透されることを防ごうという法律をつくっています。日本の国会はこういったことを、自分たちの自浄作用として早急に行わなければなりません。
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