立憲・福山幹事長~IR整備は白紙にするべき
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月24日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。参議院本会議で行われた立憲民主党・福山幹事長による代表質問について解説した。
国会の代表質問~野党が安倍総理を追及
安倍総理の施政方針演説などに対する各党の代表質問が23日で2日目に入り、野党側は桜を見る会やIR、衆院解散や中東への自衛隊派遣などで総理を追及した。
飯田)まずは、23日の午前中に行われた参議院本会議です。IR事業に関する立憲民主党・福山幹事長の質問と、安倍総理の答弁をお聞きいただきます。
福山幹事長)IRの整備については少なくとも、捜査の状況がはっきりするまで一旦立ち止まって白紙にするべきです。特に1月中の基本方針の策定などはありえません。
安倍総理)IRについて尋ねられました。副大臣も務めた現職の国会議員が逮捕、起訴されたことは誠に遺憾です。かつて副大臣に任命したものとして事態を重く受け止めておりますが、ご指摘の事案については、捜査中の刑事事件に関わる事柄であることから詳細なコメントは差し控えます。
飯田)ということで、カジノ管理委員会や国会での議論も含め、ていねいに策定作業を進めているということも言ったようです。
宮家)事実関係がよくわかりませんからね。今回関与した中国の人が何を考えていたか知りませんが、中国と同じやり方でやればできると思ったら大間違いです。あんなことをやったら逮捕者が出て、その会社は失敗するに決まっています。どうしてあんなことをするのかと思いましたけれどね。
飯田)施政方針演説は、どうしても総花的になるものではありますが。
宮家)残念ながら代表質問は一方通行と言うべきものです。質問は事前に来ていて、事務方は一生懸命答弁をつくるわけです。政治家はそれをしっかりと読む。とにかく代表質問はいちばん重要な、国会審議をやるときに最初にやるものですから、そのときの国会の基本的な基調がそこで決まるわけです。そのときに言い方を1つ間違えてしまうと、それを後で直すのが大変なのです。だから代表質問の答弁をつくるというのはいつも緊張しましたね。
日本の法律は複雑~海外に出る度に特別法を作る必要がある
飯田)外交についての質問などもありました。22日、国民民主党の玉木代表が中東への自衛隊派遣に関して、法律をつくることもあるのではないかと聞き、総理は法律をつくる必要はないと答弁をしました。言い切らなくてもいいのに。
宮家)法律をつくるかどうかということですが、日本の法律というのは1つ1つ、「行きます」「行きません」ということになるのです。これは“ポジリスト”と言って、やれることだけを書く。普通の国の軍事組織の法律はその逆の“ネガリスト”です。「これをやってはいけない」「これもやってはいけない」と書く。しかし、それ以外はやっていいのです。そうするとオペレーションをするときも、何事もスムーズに行くのです。しかし日本の場合はポジリストだから、「これをやっていい」「これもやっていい」「しかしそこはだめ」「それならいい」と、複雑に書いてあるから、それに従うのはものすごく大変です。1回1回、外に出る度に特別法をつくらなくてはいけないわけで、実に面倒なのです。審議に時間がかかり、そのうちに手遅れになる。だから、どうせ法律をつくるのだったら、悪いことをしに行くわけではないのですから、諸外国と同様に“ネガリスト”でつくってほしいと思います。
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