黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、女子車いすバスケットボール日本代表候補・小田島理恵が出演。車いすバスケットボールのルールについて語った。
黒木)毎週さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストは女子車いすバスケットボール日本代表候補の小田島理恵さんです。今年(2020年)はいよいよオリンピック・パラリンピックの年ですけれども、どのあたりから闘志が沸き起こって来ましたか?
小田島)東京と決まった瞬間に、「絶対出るぞ」と思いました。そのときは4年後と思っていたのですけれども、「もう今年か」という感じです。
黒木)東京パラリンピックで活躍が期待されている選手ですけれども、2月の時点で、まだ出場が決まっていないのですよね?
小田島)開催国枠で日本としての出場は決まっているのですが、メンバーについてはまだ決まっていない状況です。
黒木)いつぐらいに決まるのですか?
小田島)選手にはわからないので、常に気を張っている状態です。
黒木)日々の練習なり、試合なりをどなたかがご覧になって選考されるということなのですね。車いすバスケットボールとはどういうものなのか、基礎知識を小田島さんから教えていただきたいと思います。
小田島)持ち点制度というのがありまして、選手1人1人に持ち点がつけられていて、障害の重さによって1.0点~4.5点まで、0.5点刻みにあります。試合に出る5人が、14点以内で試合をしなければなりません。障害の重い選手が1点ずつ、障害の軽い選手は4.5点ずつ。重い人、軽い人を組み合わせて試合をするというのが世界共通ルールです。
黒木)小田島さんは何点持っていらっしゃるのですか?
小田島)私は2.5点という持ち点です。真ん中くらい。
黒木)14点以内で、障害の重い人も軽い人も一緒にプレーするということですよね。
小田島)そういうことです。だから交代といっても、持ち点を考えて交代しなければいけないのですね。そこが難しいところではあります。
黒木)いろいろな選手がいないと勝てないということですね。
小田島)はい。あと違うところは、健常だと走ってドリブルをして、持ったらもう1回ドリブルをつくことができないので、パスしなければなりませんが、車いすバスケの場合は持ってもまたできるのです。また健常の場合、3歩以上歩いたらトラベルリングというファールで相手ボールになってしまいますが、車いすバスケの場合は歩かないのですけれども、ボールを持って車いすを3回漕いだらトラベリングになります。2回漕いでドリブルをついて、2回漕いでドリブルをついてということはずっとできます。
黒木)子供のころに、バスケットボールをやっていたというわけではないのでしょう?
小田島)そうですね。子供のころは文化系だったので。
黒木)文化系。
小田島)小学校のときはそろばん・習字・ピアノを習っていました。中学校も吹奏楽部に入って、高校ではガラッと変わって少林寺拳法部に入るのですけれども。
黒木)でも子供のころから、体を動かすことは好きだったということですよね。
小田島)そうですね。
小田島理恵(おだじま・りえ)/車いすバスケットボール 日本代表強化選手
■1989年、4月1日生まれ。30歳。
■車いすバスケットボール女子日本代表候補・強化指定選手。
■リクルートオフィスサポート所属。ニックネームは「おだじ」。
■22歳のときに事故に遭い、脊髄損傷不全麻痺になり、右下肢と体幹の機能が低下。退院後、リハビリ目的で訪れた障害者スポーツセンターで行われていた車いすバスケットボール体験教室に参加したことを機に競技生活がスタート。
■2013年、東京を拠点とする女子チーム「GRACE」に加入。2016年から日本代表強化指定選手として国際試合にも出場。2019年のアジアオセアニアチャンピオンシップスでは3位に入賞した。
■現在も女子日本代表候補・強化指定選手として活躍し、東京パラリンピック出場を目指す。
【車いすバスケットボール】
■10分×4ピリオド制。ダブルドリブルは適用されない。
■コートの広さやボールの大きさ、ゴールの高さなどは健常者のバスケと基本的に同じ。
■選手は障害に応じて持ち点(1.0~4.5、数字が小さいほど障害の程度は重い)が定められ、1チーム5人の持ち点が14.0点以下でなければならない。
■パラスポーツのなかでも花形スポーツと言われ、スピードと俊敏さ、そして激しさが伴うスポーツ。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳