ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月28日放送)にジャーナリストの有本香が出演。北朝鮮の現在の状況と日本政府の今後の対応について解説した。
北朝鮮・金正恩委員長の重体説
北朝鮮について韓国統一省は27日の会見で、「北朝鮮内部に特異な動向はない」として、北朝鮮の金正恩委員長の重体説に否定的な見解を示した。
権限委譲、粛清~北朝鮮国内の変化
飯田)一部の報道機関は、死亡説も流していました。
有本)韓国の特別補佐官は否定しています。ただ、韓国の政権がきっぱり否定すると怪しい感じもします。北朝鮮の複数のメディアもまったくのデマだと言っています。デマの出どころは北朝鮮特有の言い方なのですが、「南朝鮮の下水道に隠れた小ネズミたち」と言っています。それが何かというと、韓国のネットメディアであるデイリーNKのことです。これは日本語でもサイトがあります。
飯田)高英起さんが編集長の。
有本)日本語でも出ていましたね。もともと金正恩氏に健康問題があるというのは、数ヵ月前から日本の半島ウォッチャーの方が何人も口にしていました。だからこそ、妹の金与正氏にいろいろと権限委譲が行われているのです。そうした体制変化があると思しきなかで、相当な粛清が行われています。かつて対米交渉に関わった人も粛清されたのではないか、ということも言われていましたので、重体がどの程度かということがあるにしても、健康に問題があって体制に変化が見られていることは事実と思っていいと思います。こういうなかで、日本もコロナ対策に重点を割かれているのですが、北朝鮮の体制に変化があるということは、ある意味で日本にとってはチャンスとも言えます。
いまこそアクションを起こすとき~朝鮮総連はこのままでいいのか
飯田)特に、何としてでも拉致被害者を取り返す。
有本)それが最初ですよね。どのように進めて行くかは国民に明らかにされなくてもいいのですが、いざというときのシミュレーションがあると聞いていますし、それをやるような態勢が取られているのかが気にかかります。またこの期に及んで、日本国内における朝鮮総連をどうするのかということです。いままでのような状況でいいのか。総連の動きを違う方向へ向けて、自民党のなかでも再三検討はされていますが、破産する方向へ持って行き、政府側からすれば債権はパーになりますが、それはもともと返って来ないものです。それよりも、もっと情報をとるということです。過去に拉致問題に関わった日本国内の個人、機関。もちろん時効になっているものが大半ですが、そういう情報を国民の前に開示して、一気に解決するのだという姿勢をそろそろ見せる必要があると思います。もう安倍総理の任期も限られているわけですから、このタイミングで何かアクションを起こさなければ、どうするのですかという話です。
飯田)国内に協力者のネットワークがあるということは、いろいろなところで言われています。それこそ国連の制裁パネルの調査をやっていた古川勝久さんも書いていますが、ダミー企業など、むしろ日本は北朝鮮の外のネットワークの中核であった時代も長い。お金や物資の流れがあるということは、拉致のネットワークだって存在しているということであると。
有本)それから、今後の展望のようなものも実際に語られています。私も現地を取材しましたが、北海道に大規模な農場があって、朝鮮総連のホ・ジョンマン議長も開所式のときに訪れているわけです。筆頭の来賓として挨拶をして、「我が国(北朝鮮)との間で民間で協力して行こう」ということを高らかに言っています。そういう活動をいまも国内で活発にしていることを、どう見るのかということです。
飯田)そこで上げた売り上げが、どこに消えて行くのかとか。
有本)拠点化しているのではないかという疑問が国民にもあるのです。その辺りの決着をつける方向で、国民の前に情報を開示する。いままで問題があったことについては、それなりの処断をする段階に入っていると思います。
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