新型コロナと闘う医療従事者に我々がするべきこと
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月12日放送)にジャーナリストの有本香が出演。「看護の日」ということから、新型コロナウイルスに携わっている医療従事者へのケアについて解説した。
看護の日
5月12日は看護の日。近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、1990年に旧厚生省によって制定された。
飯田)国際看護協会は1965年から、5月12日を「国際看護師の日」に指定しているということです。また2020年は、フローレンス・ナイチンゲールの生誕200年の記念の年でもあるそうです。現場でいまコロナウイルスに対応している方々は、リスクを背負いながらやってくださっていますものね。
医療従事者は不眠不休で業務している
有本)特に今回の感染症はスピードとの闘いだと、現場で対応していらっしゃる専門医の先生もおっしゃっています。感染して行くスピードは市中でのことですが、病院へ入ってからも、重症化するスピードがすごく早いということを言っているのです。仮に100人の感染者がいたら、そのうち5%くらいは集中治療室に入らなければ助けられない。集中治療室に入るというと、私たちのイメージとしては、そこで特別な医療を施されるのだろうと思うのですが、患者さんを監視しているわけではないですか。それを診ているのは医師もですが、看護師なのです。実際に私も、親族が人工呼吸器をつけてICUに入った経験をしていますが、本当の意味での不眠不休です。これは大変な仕事です。
飯田)いつ容体が急変するかわからないから、ずっと診ていなければならない。
医療従事者への手当てを考えるべき~大阪府ではコロナ基金の寄付が10億円を超える
有本)ご自身の感染の危険性も高いわけですし、通常のICUで人工呼吸器をつけた患者さんがいるという状態に加えて、更にという状況です。これは本当に大変なことです。そうしたなか、大阪府が医療関係者の方たちを中心に特別な給付金を配ろうと、通称コロナ基金を立ち上げ、その寄付が10億円を超えたとのことです。これはふるさと納税扱いになるのですね。感染者が特に多い都府県で、これに続く動きがあるということも聞いています。それ以外にも、名古屋市では河村たかし市長が、まだ額などの詳細は決まっていないけれども、医療従事者に手当を出すということを言っています。自治体はそれぞれ財政力がまちまちです。2次補正のなかには、そういうものもある程度は含まれているのだと思いますが、国はその辺りもバックアップすることを考えていただきたいです。
飯田)現場では危険手当のようなものが出ないのかと。コロナの診療点数をかさ上げするということは国会答弁でも出ているし、やっていると思うのですけれども、手当てまで降りるのかは病院の経営の問題もあるので、なかなか一律に制度化できない。病院のなかでまちまちになってしまうところもありますが、相当なリスクを背負って仕事をしているわけですものね。
有本)巷で聞くのは、医療従事者の方は感染している可能性が高いということで排除されたり、いじめに遭う医療従事者の方のお子様もいるということです。そのようなことがないようにする啓蒙活動が、もっとあってもいいと思います。政治家からもそういう声があるべきだし、その種の広報CMなども積極的にやるべきだと思います。
世間の目など精神的なストレスも大きな問題
有本)公共広告などで明確なメッセージを出す。これは明らかに問題ですから、医療従事者の方々に手当てを出してお支えする。同時に、精神的な苦しみやストレスから少しでも軽くなっていただけるように、サポートすることを考えた方がいいと思います。
飯田)看護連盟の会長さんにお話を伺う機会がありまして、5月6日の夜7時から特別番組『voice of workers』を放送したのですが、ストレスが溜まって話したいのだけれど、一方で守秘義務があるからなかなか話すこともできない。SNSで秘密がばれないように閉じられた特設ページを立ち上げ、そこで話を聞くということをされているそうです。しかし、一方で啓蒙活動などをやらないと、世間の目が非常にストレスになりますものね。
有本)1ヵ月くらい前に、ニューヨークのナースの方たちがカメラの前で泣いていらっしゃる映像が、ずいぶん上がりました。いま飯田さんがおっしゃったように、話すこともできないというストレス。そろそろ医療従事者の方々をどう精神的にケアするか、プログラムのなかに入れて行く必要があるのかも知れませんね。
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