ボルトン氏回顧録~北朝鮮交渉で拉致問題を入れる予定だったトランプ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月24日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。23日に出版されたボルトン前補佐官の回顧録について解説した。
アメリカのボルトン前大統領補佐官が回顧録を出版
トランプ大統領の側近だったボルトン前補佐官の回顧録が、23日に出版された。回顧録ではトランプ大統領の政権運営について、「知識に乏しかった」と指摘するなど大きな反響を呼んでいる。
飯田)予約の段階からベストセラーリストで第1位となりまして、公式出版の前からその内容について話題となっていました。
高橋)楽しみですよ。いまは電子書籍で読めるので、電子書籍ですぐに読もうと思います。
最初の北朝鮮との交渉で拉致問題を入れようとしていたトランプ大統領
飯田)いろいろなことが書いてありますが、日本と対応するところだと、北朝鮮に対してのトランプさんのスタンスが書かれています。
高橋)2018年6月の初めての米中首脳会談で、実は共同声明のなかに拉致問題を入れることになっていたけれど、北朝鮮が反対してうまくまとめられなかったとあります。この話などは「そうなのか」と思ってしまう記述です。うまく行くかどうかは交渉なのでわかりませんが、トランプ大統領は考えてくれていたのだと。
飯田)トランプ大統領と金正恩氏が会うというのも、韓国側が提案をして金正恩氏サイドを説得したと、ボルトンさんは書いています。金正恩氏側が熱望していたと言われていましたが、そうではないということが出ています。
基地負担の増額は正式な話ではなかった
飯田)日本に絡むところで言うと、基地負担、駐留費負担を大幅に増やすということが出ています。
高橋)ボルトンさんはそう言っていますが、日本側の方が正式提案として受け取っていなかったと見れば、菅官房長官の会見とボルトンさんの話の平仄(ひょうそく)が合います。来年(2021年)の3月が期限切れなので、通常、そんな前に言うわけがありません。ボルトンさんは言うことは言ったのですが、正式提案ではなかったということだと思います。
飯田)その辺はまだジャブの段階で、とりあえず言っておくと。
高橋)それが正式かどうかです。正式でなければ、言われたほうは「そうですか」と聞いているだけで終わります。正式な話だと、後で答えを返さなければなりません。答えを返すか返さないかだけです。
大統領選挙の前~トランプ陣営「すべて嘘だ」
飯田)北朝鮮との交渉、米朝首脳会談が第1回はシンガポールで、第2回はハノイでありましたが、核施設の放棄と一体で制裁を解除するということも、トランプ大統領ならやりかねなかったけれども、そうならずに安堵したと書かれています。
高橋)全部が嘘とはなかなか思えないですが、大統領選挙の前ですので、トランプ陣営は「全部嘘だ」と言います。このタイミングで出すということは、証拠もありますし面白いですが、トランプ陣営としてはたまったものではないでしょう。
飯田)手の内を出されてしまうと。
高橋)秘密保持というものがあるから、その違反になります。公務員でも機密情報を漏らしてはいけません。そこに触れる可能性はあります。逆に言うと、トランプ陣営が焦れば、「この話は本当かな」と野次馬的には思ってしまいます。
飯田)真偽はわかりません。
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