安倍総理が黙す2つの理由~イージス・アショア配備計画停止
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月25日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。24日に開催された国家安全保障会議について解説した。
国家安全保障会議でイージス・アショアに変わる新たなミサイル防衛政策の方向性について協議
安倍総理大臣は24日、国家安全保障会議(NSC)を麻生副総理兼財務大臣ら4大臣と総理官邸で開いた。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に変わる新たなミサイル防衛政策の方向性について協議した。
飯田)事前には、敵基地攻撃能力の保有の是非なども言われていましたが、議論は今後も続けられるということです。
鈴木)これからどうするのかという話ではありますが、イージス・アショアをなぜやめたのかということについては、まだ終わっていません。
飯田)計画停止ということになっていますね。
鈴木)やめるまでのプロセスについてです。25日発売の「週刊文春」にも、そもそも能力に疑いがあって、防衛省などが廠舎の視察に行った際に、「これはダメだ」という報告書があがっていたのにも関わらず、購入したという記事が出ています。そうした部分のプロセスの総括は、国会の仕事になって来ます。
安倍総理がぶら下がり取材に応じなかった2つの理由
鈴木)少し疑問に思ったことがあります。安全保障は安倍さんの1つの売りでもあるので、この会議の終了後にぶら下がり取材で何かしら言うのかと思っていたのが、記者の質問に何も答えなかった。そこで「あれ?」と感じました。もちろん安全保障の問題ですので、易々と話せはしないにしても、この節目のなかでなぜ話さないのかと。自民党の議員の方に話を聞くと、1つは、「なぜやめたのか」ということを突かれると、かなり答えにくいので話すのを避けたということ。もう1つは、アメリカの大統領補佐官であったボルトンさんの暴露本に、日本の安全保障の問題が書かれている。トランプ大統領が日本に武器を買えと言っただとか、米朝首脳会談のなかで、日本というポジションはどのように話し合われたのかということに関して、ミサイルの問題も含めて書かれています。そのようなボルトン氏の暴露に対して、日本の安全保障に関わる部分をもう少し、日米の当局で話をすり合わせる必要があるのではないかと。そのような非常に複雑な2つの理由で話さなかったのではないかという解説でした。
進まない拉致問題も理由の1つか
鈴木)北朝鮮と韓国の間で緊張が高まっていますよね。そうしたなかで日本は直接、拉致問題と向き合って行く課題の1つがこのミサイル問題ですので、日本はどうするのかというところ。アメリカが動かなければ日本は動きにくいのかも知れませんが、拉致問題についても、日本独自に北とのパイプを模索して行くことが必要だと思っているけれど、そのようなことを考えると、いまは総理も口が重いのだろうと思います。
飯田)この国家安全保障会議で、何らかの方向性が出るのではないかと言われていましたが、いまのところは動きがない。本日(25日)の官房長官会見で少し質問が出るかどうかですね。
鈴木)質問があったとしても、具体的に言うことは「夏までに」というスケジュール的なことでしょう。国会は閉じていますが、イージス・アショアを断念するまでの判断はどうであったのか、そして次はどうするのかという、2つの問題を解決して行かなければならない。順番としては、前者を集中審議などで話す必要があります。
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