新型コロナ第2波を前に守るべきこと~東京都医副会長・角田氏

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月3日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。新型コロナウイルスの感染者数が東京都107人、全国で195人と、緊急事態宣言解除以降で最多となったニュースについて、東京都医師会副会長の角田徹を電話ゲストに迎えて解説した。

新型コロナ第2波を前に守るべきこと~東京都医副会長・角田氏

東京・渋谷のスクランブル交差点にある大型ビジョンに流された、都内で新たに100人以上の新型コロナウイルス感染者確認のニュース=2020年7月2日午後 写真提供:共同通信社

新型コロナウイルス、東京の107人をはじめ全国で新たに195人が感染

新型コロナウイルスの感染者は2日、東京都の107人をはじめ埼玉県で19人、神奈川県で12人、大阪で8人など新たな感染者の確認が相次ぎ、全国で195人の感染者が確認された。5月25日の緊急事態宣言解除後では最多となっている。

飯田)東京版の一般各紙4紙で、一面トップが東京107人ということですが、ここで2日の小池都知事の会見の模様をお聞きいただきます。

 

小池知事)きょう(2日)の陽性者数はすでにご案内の通り、107人となっております。緊急事態宣言下で、5月2日に154人という数字が出ておりますけれども、2ヵ月ぶりに100人超えとなりました。

 

飯田)「都民の皆様にはこの認識を共有していただき、夜の繁華街への外出自粛などをお願いしたい」ということです。いまは感染拡大要警戒の段階にあると、フリップも出しながら説明をされていました。この時間では、感染症のエキスパートの方にお話を伺います。東京都医師会の副会長で、角田外科消化器科医院・院長の角田徹先生と電話がつながっております。角田先生、おはようございます。

角田)おはようございます。

新型コロナ第2波を前に守るべきこと~東京都医副会長・角田氏

東京都で2日に報告された新型コロナウイルスの感染者が新たに107人に上り、会見に臨む東京都の小池百合子知事=2020年7月2日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

この数日の結果が重要~夜の3密を避ける

飯田)昨日(2日)、東京では新たに107人の感染者が確認されました。どうご覧になりますか?

角田)警戒するべき時期だと思います。第2波の到来も十分に考えながら、対処しなければいけないと思います。

飯田)これが第2波というわけではないと考えた方がいいですか?

角田)そうですね。前回もそうなのですけれども、同じように50~60人から急に100人に増えるということはありました。これから先の数日間の感染者数が重要になると思います。

飯田)これからの推移を見て行かなければならない。

角田)そうですね。

飯田)昨日の都知事の会見では、「感染拡大要警戒の段階」ということを強調されていました。お感じになったことはありますか?

角田)その通りだと思います。この数日、気をつけなくてはいけないのですけれども、いまの感染者数は大体1週間~10日前に感染した結果ですから、いますぐに行動制限をしても、効果が出るのは1週間後ということになります。極めて重要な時期だと思います。

飯田)新たな行動制限や、緊急事態宣言も出した方がいいのではないかという指摘もありますが、先生ご自身はどのようにお考えでしょうか?

角田)前回のような、緊急事態宣言による一律の自粛はやらないと思います。感染の場がある程度はっきりしていますので、夜の街の3密状態を避けて、接触感染、手洗いをこまめにするというメリハリをつけた行動の自粛が必要だと思います。

新型コロナ第2波を前に守るべきこと~東京都医副会長・角田氏

【新型コロナ 帰宅ラッシュ】家路を急ぐ人たちなどで込み合う新宿駅周辺=2020年6月24日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

若い人の感染率が増えている~高齢者に感染すると重症者が増える

宮家)これまでも、何度か「これから数日間が重要」と言われて来ました。いままでとパターンが似ているのですが、果たして現状は、PCR検査を増やしたことによって感染者数が増えている部分があるのか、それとは別に蔓延が拡大しているから増えているのか、どちらなのでしょうか?

角田)ご指摘のように、検査をするようになったから陽性者が増えているというところはあります。それとプラスして、前回に比べると、若い人の陽性率が多い。ですから、症状の少ない方、ない方の陽性率が増えていると思います。今後これが市中に拡がる可能性があると思います。若い人たちから高齢者の方に感染が拡大すると、重症化する人が増えてしまいますから、ここのところは極めて重要ですね。

飯田)4~5月あたりは感染者の方が増えて、病院の病床が逼迫するということがありました。数字を見る限り、現在はそこまで行っていないと思いますが、どうでしょうか?

角田)その通りです。昨日(2日)の段階でも入院している方が296名で、重症者が9名ですから、いま1000床の余裕がありまして、週末には3000床まで用意できる見込みです。医療体制としては十分対応できる状況ではあります。

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【新型コロナウイルス】閑散とした繁華街=2020年4月1日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

高齢者は外に出てはいけないのか

宮家)私は67歳になるので心配なのですけれども、いま感染者は若い人が多いということで、1つの仮説としては、若い人は元気があるし、重症にならないから外に出る。それに対して、高齢者は慎重に家にいて頑張っているから、こういう数字になっているのでしょうか? それとも、別の理由で若い人の感染者が多いのでしょうか? また、高齢者にとってこれから注意すべきことは何でしょうか?

角田)やはり若い人は活動的で、夜の街にも行っているので感染率が高いのだと思います。しかし、市中で簡単に感染することはないので、お年寄りの方の過度な自粛は必要ないと思います。むしろ日常生活で必要なときは外に出たり、散歩をするなどした方がいいと思います。密の場でなければ感染しませんから。あまり自粛をしすぎて、手足が弱ってしまうことがないようにしていただきたいと思います。

飯田)病床にも余裕があって、対応できるいまのうちに抑えなくてはいけないということですか?

角田)そうですね。夜の街のような3密のところは避けていただく。手洗いをしっかりして、人混みではマスクをしていただく。この3点は必要ですね。

新型コロナ第2波を前に守るべきこと~東京都医副会長・角田氏

新宿・歌舞伎町の歓楽街へ向かう人達=2020年6月4日夜、新宿区 写真提供:産経新聞社

密を避ければ通常の生活をしてもいい

飯田)前に緊急事態宣言が出たときよりも、ウイルスの性質がわかって来たということはありますか?

角田)ウイルス自体はもちろん変わっていませんが、ある程度、感染経路がはっきりして来たと思います。

飯田)それに合わせてこちらも密を避け、自分たちで判断するという判断基準ができて来たということでしょうか?

角田)そうだと思います。しぶきを浴びるような近い距離での会話や会食、これは避けていただいた方がいいですね。それ以外は普通の生活に戻していただいていいと思います。

新型コロナ第2波を前に守るべきこと~東京都医副会長・角田氏

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

治験が早く進んでいるワクチン開発

飯田)日本医師会の中川会長が総理官邸を訪れ、ワクチンの開発について、安倍総理に「治験が早く進んでいる」と指摘したということですが、ワクチンの可能性はどうでしょうか?

角田)普通に考えるとワクチンを開発して、安全性を確保しなければいけない。しかし、DNAワクチンと言って、割と早く製造できる方法が開発されています。1年以上かかると思っていたのですが、早く開発が進んで、私たちも使えるようになるかも知れません。

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