なぜ数値基準設けないのか~都が新たなモニタリング項目発表
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月1日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。東京都が発表した新たなモニタリング項目について解説した。
新型コロナウイルス~東京都が新たなモニタリング項目を発表
東京都は6月30日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、感染状況や医療体制を伝える新たなモニタリング項目を発表した。項目は7項目で、都民に警戒を呼びかける基準となる数値などは設けず、医師や専門家の評価をもとに対応を決めるとしている。
飯田)第2波に備えたモニタリング項目の見直しを進めて来た、その内容が発表されたということです。
数字よりも医療体制の充実に重点を置く~一般人にはわかりにくくて当然
佐々木)わかりやすく評価したがる人は、「わかりにくい」と文句を言いますが、僕は悪くないと思います。いままでの東京アラートは、新規感染者数が直近7日間平均で20人以上超えたら、もう1度自粛要請をしますよという話でした。必ずしも数が増えれば問題かと言うとそうではなく、医療体制が盤石であれば100人だろうが、200人だろうが構わないわけです。4月の段階で200人ぐらいになり、危機感が高まりました。200人というのは数字の問題ではなく、感染者用の病棟がぎりぎりだったからです。いまのところ、そこまでの危機感はありません。病床もかなり用意されていますし、軽症者用のホテル、施設をつくる対応もしています。今後の問題は数ではなく、医療体制と感染者が増える、重症化する人たちの見合いのようなもので決まって来ます。そうすると、わかりにくくて当然なのです。しかも、いろいろなデータを積み上げれば、発熱でコロナウイルスの可能性があるという人が救急搬送されますが、そこで「受け入れ先がないような状況がどれくらい出ているか」など、見えないデータがたくさんあって、そういうデータが徐々に見えて来ています。それらをすべて踏まえて判断すると、医療状況と医療体制、感染者、重症者の増加などが見えて来るので、そこで初めて判断することになります。医療従事者でない私たち一般人が見て、わかる数字で判断するということは、逆にわかりやす過ぎるのです。わかりにくいところで医療崩壊を招かないように対応することを原則として考えると、この対応は、小池さんが思い付きでやったのではなく、大曲先生や西浦先生など感染症の専門医が後ろについてやって来たことです。その判断がきちんと盛り込まれていると思います。
飯田)検査の陽性率とか、そういうものだけではなく、いろいろなものを勘案する。重症患者数や入院患者数が出るのかと思いましたが、これはなかなか出しづらい部分があるのですか?
夜の街についての対応がしきれていない
佐々木)どこまでそれを数字として抑えきれているかです。それこそ、ファックスで送っているというようなところもありますから。もう1つの問題は夜の街と、どこで感染したかわからない人たちがたくさんいるということです。その辺をどう対応するのかです。特に夜の街、ホストクラブなどに多いと言われていますが、そこを東京都は対応しきれていません。きちんと対応するのであれば、休業要請をピンポイントで出して、その代わり補償するという対応をしなければ、なくなるわけがありません。
飯田)報道されていますが、お店のフロアではなく、待合室で感染している場合が多い。また、新人さんでお金がない人たちは集団で生活しているので、そこがクラスターになっているのではないかとも言われています。
佐々木)シャンパンの回し飲みなどですね。
飯田)マドラーの使い回しも問題なのではと言われています。
佐々木)細かくケアして行けば、ある程度、夜の街は抑えられるはずですが、そこが足りません。
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