キャスターの辛坊治郎氏が7月2日(木)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!~激論Rock&Go!」に出演。7月1日に“レジ袋”が原則有料化となったことについて、持論を語った。
レジ袋「有料」のスーパーで、傘袋が「無料」の違和感
小売店などでの会計時に無料で提供されてきたプラスチック製のレジ袋が、容器包装リサイクル法の政令の改正に伴って、7月1日から原則有料化となった。
飯田浩司アナウンサー)1日から袋はお金がかかるということで。コンビニとかをみていると「袋要りません」という人も多かったような気もします。
辛坊)わたしがおいおい、と思ったのが、1日に近所のショッピングセンターに買い物に行ったのですが、雨が降っておりました。そのショッピングセンターのスーパーでは「レジ袋は有料ですが必要ですか」と聞かれました。それでですね、お願いしますと言って入れてもらったんです。それはいいのですが、ところがその大きなショッピングセンターの入口に無料の傘袋がありました。傘袋はその場で回収できるから、環境のなかにばら撒かれないからいいということなのでしょうかね。だけど、スーパーでレジ袋にお金とるのに、同じショッピングセンターの傘袋が無料でいくらでも使えておいてあるって、飯田くん、どういうこと。すごく違和感があった。
飯田)サッカー台と言って袋詰めするところには、一応ビニール袋があるじゃないですか。
辛坊)小さいやつ。だから、今回の法律ではあれはOKなんです。だから、肉なんかを入れるときに、他のものと混ざらないように薄いポリ袋は、今回は有料化しなくていいということなのですけれど。ただ、傘を入れる袋には若干の抵抗があった。
飯田)結構大きいですからね。
辛坊)何が問題かというと、レジ袋をばら撒くということ。知っていますか、あと何十年か経つと海の中に生息する海洋生物全体の重量よりも、海の中にある廃プラスチックの総重量の方が多くなるという論文もあるくらい。それが本当か嘘かはわかりませんが。いまなんとかしなければいけないという意味では、レジ袋有料化はいいのだけれど、ただ、本来ならばちゃんとルートに乗せて、燃やすにしても海に流れ込まないように手当てをしておけば問題にならないです。
それから、分解可能な生分解性プラスチック。プラスチックにもいろいろありまして、石油化学製品のプラスチックもあれば、植物由来のプラスチックもある。植物由来のプラスチックは自然に分解されるので、それは環境にそんなに負荷を与えないということで、20%から25%だかは含まれているレジ袋ならOKということで、どうしてもお持ち帰りの食品なんかで、レジ袋じゃないと消費者が嫌がる。気持ちはわかります。で、食品産業のなかでは、有料化せずに、生物分解の成分を含んだポリ袋はただで配っていいということになっているのです。僕は科学的なことはわからないのだけれども、例えば20%分解性のプラスチックが含まれているポリ袋というのは、そうでないポリ袋に比べて、環境負荷は少ないわけですか。
飯田)一応少ないという建前になっていますよね。
辛坊)残りの80%はどうなっちゃうわけですか。
飯田)どうなるのでしょうか。
辛坊)その基準もよくわからないんだよね……。地下から石油を掘り出してきて、それを使って使い捨てにしている。限りある資源ですから、その限りある資源をゴミ袋にして燃やしてしまうということに関して「どうなんだ」と言われて、「持続可能な」ということで、植物由来ということになれば再生産が効くので、そういう生活にしていこうと。この大筋はわかるのだけれども、さっきも言ったように、スーパでレジ袋を3円で売っていながら、一方でそのスーパーで使い捨ての傘袋を配っているという。なんだろうなこの違和感は。
「環境にいいことしてます」で終っちゃダメ
辛坊)わたしもそうですけれども、基本的にはレジでもらってきた袋はゴミ袋に使って、まとめて捨てるじゃないですか。ところが、自治体によっては指定のゴミ袋でなくてはいけません。そうしたら、逆にゴミ袋を作るのに資源も手間もかかるし、お金もかかるのに、そういう矛盾したことがこの国は多すぎるじゃない? という気がする。一点一点やっていることは正しいかもしれないけれど、トータルで見たときに「何をやっているの?」という。レジ袋もゴミを詰めてゴミ回収のときに出しちゃえば、それがいちばん環境負荷も少なく済むし、新たにゴミ袋をつくる必要もないわけだから、なんでそれがだめなの。「指定のゴミ袋じゃないといけません」とか。
飯田)結局、指定のゴミ袋を買って、その中にコンビニのゴミ袋を詰めてということを庶民はやりますよね。
辛坊)そんなことしたら、二重三重でゴミが増えるだろう。それもなかのゴミが見えるように、透明なゴミ袋という指定だけれども、中のゴミなんか見られたくないから、内側に新聞紙をわざわざ入れて、中が見えないようにしてそこから、さらに中にコンビニの袋を入れている。どう考えても環境負荷は、この方が大きいでしょう。新聞はリサイクルに出せばいいのにゴミ袋の目隠しのために使うというのは。
飯田)しかも、ガソリンだとかいろいろな石油製品を作る過程で、あれも副産物的にできるので、原価としては0.1円とかなのに、ゴミ袋の自治体のものって一枚100円とか200円で売っているじゃないですか。高い上にあの金はどこに行っているのかということを考えると、利権以外の何物でもないのではないか? という指摘もあります。
辛坊)ところで昨日新幹線に乗るときに、コンビニに行ったのです。それで「レジ袋要りますか」と言われたので、あれは環境に配慮しなくてはいけないので「要りません」と答えたのですが、冷やし中華だとかをわんさか買い込んで、エコバックに入れたのはいいのだけれど、電車を降りるときにどうやってゴミを捨てたらいいんだと。
飯田)たしかに。
増山さやかアナウンサー)ゴミをまとめるときにね。
辛坊)すごく困った。
飯田)困る確かに。
辛坊)環境に配慮は大切です。環境のことは考えましょう。だけど。いまやってるひとつひとつのことが、単なる“ファッション”や“偽善”じゃないかということに関しては、いっぺん考えた方がいいんじゃないかと思います。「環境にいいことしてます」で終っちゃダメだと思うよ。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)