令和2年7月豪雨~現地の状況を人吉市市長に訊く
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月4日放送)にジャーナリストの有本香が出演。電話ゲストに7月の豪雨災害で大きな被害を受けた熊本県人吉市の松岡隼人市長を迎え、現地の様子を訊いた。
令和2年7月豪雨から1ヵ月~熊本県人吉市の現状
令和2年7月豪雨災害から8月4日で1ヵ月となった。熊本県内では、球磨川の氾濫や土砂崩れなどで65人が死亡した他、いまも2人の行方がわかっていない。
飯田)熊本県内では、およそ1500人が避難所生活を送る他、県が把握できたおよそ1600人は、在宅避難や車中泊を続けているということです。また、温泉の名所として知られる熊本県人吉市では、今回の豪雨による商工業の被害が279億円に上っていると報じられました。甚大な被害から1ヵ月ということですが、現地はいまどうなっているのか。熊本県人吉市の松岡隼人市長と電話がつながっています。松岡市長、おはようございます。
松岡)おはようございます。
飯田)1ヵ月が経ちましたが、現状はどのようになっていますでしょうか?
20名が亡くなり、現在も630名が避難所に
松岡)7月3日~4日にかけて降り続いた雨は、観測史上最多の雨量を記録し、球磨川の水位は観測史上最高の水位まで上昇しました。人口や事業所が集中する市の中心部が、広範囲にわたり、まるで津波のような激流に飲み込まれ、20名の尊い命が失われました。市内の1/3程度の家屋が、浸水破壊被害に遭い、現在も約630名の方が5ヵ所の避難所に避難されています。壊滅的な打撃を受けている事業者さんは、いまだに多くが事業を再開できていません。改めて、お亡くなりになった方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。災害ごみや土砂につきましても、多くの方にご尽力をいただき、日々その量は減っていますが、まだすべて片付いたわけではありません。甚大な被害を受け、精神的にも肉体的にも極限状態にあるなか、発災当初から、国、県、自衛隊、県内外の自治体をはじめ、ボランティアやさまざまな関係機関の方々にお力添えをいただき、その想いと行動にいま支えられています。全国からの励ましや、お支えいただいているすべての皆様に、心から感謝を申し上げます。
飯田)今回、甚大な被害に加えて、コロナの対策もしなければならない。しかも、いまは暑くなって来ています。住民の方々は、生活の再建がこれからというところで、とても大変ですよね。
松岡)そうですね。我々が取り組んでいることとしては、関係機関と協力して、1日も早く災害ごみと土砂を撤去できるように努めています。
飯田)まずはきれいにしてからでないと、例えば、仮設住宅もこれからということになりますか?
松岡)そうです。仮設住宅に関しても、いま、準備を急ピッチで進めておりまして、現在は空きのある市営住宅への入居を順次行うなど、住まいの確保にも努めています。
飯田)スタジオには、ジャーナリストの有本香さんもいらっしゃいます。
避難所に避難中の630名以外に自宅避難や車中泊避難をしている方も
有本)心よりお見舞い申し上げます。冒頭のニュースのなかで、車中泊を続けている方がいらっしゃると伺いました。先ほど市長が、630名の方が避難していると言っていましたが、車中泊をされている方は、まだいらっしゃるのですか?
松岡)この630名というのは、避難所に避難されている方ですので、その他に自宅避難や車中泊避難をしている方もいます。
有本)なるほど。暑くなって来ているなかではきついですね。
松岡)避難所に関しては、国の方からクーラーの設置等々を行っていただき、パーテーションなどを設置してコロナ対策にも努めていますが、避難者の状況が詳細までは把握できていない状況です。
有本)そうすると自宅避難、あるいは車中泊をしている方々についても、できる範囲で見回りなどはしているけれども、詳細がわかっていないところもあるということですか?
松岡)いま、罹災証明書の発行を始めておりまして、そのなかで床上、床下など、被害に遭われた方にお越しいただいています。そのなかで把握をしているところです。
飯田)なるほど。地域も広範囲にわたりますし、山間部だとなかなか行って確かめるのが難しいところも多いですよね。
松岡)そうですね。
ホテルや飲食店の被害額は279億円
飯田)温泉の名所で知られる人吉市ですが、商工業の被害も甚大ですよね。
松岡)先ほど申し上げたように、市の中心部でホテルなどが立ち並び、飲食店等々がある場所が広範囲に渡って浸水被害を受けているので、まだまだ事業再開には、ほとんどの事業者さんが至っておりません。
飯田)被害額が279億円と報じられていますが、これもすべてがわかっているわけではないということですか?
松岡)いまから事業再開について、お支えして行くわけですが、そのなかで詳細が明らかになって来ると思います。
飯田)ここから先は、生活再建に向けてというところですが、いま必要なもの、全国の皆さんに訴えたいことなどがありましたら、お願いします。
松岡)先ほど申し上げましたように、皆様方に励ましの声をいただいています。いまコロナの問題があり、ボランティアも熊本県内の方に限定をしているところで、なかなかニーズと人手がマッチしていませんが、精いっぱい頑張って行きたいと思っています。
飯田)お忙しいなか、ありがとうございました。ニッポン放送では、令和2年7月豪雨の義援金を募っています。詳しくはホームページをご覧ください。
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