キャスターの辛坊治郎氏は8月13日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、国民民主党の玉木雄一郎代表が、立憲民主党との合流組と残留組に党を割る分党を表明したことについて、飯田浩司アナウンサーとともにその行方と課題を分析した。
民主党からの政党助成金を受け継いでいるのは国民民主党
国民民主党の玉木雄一郎代表が、立憲民主党との合流組と残留組に党を割る分党を表明したことをうけ、それぞれの規模の行方に注目が集まっている。国民民主党の国会議員は62人、一方立憲民主党は89人となっているなか、時事通信社は合流新党が150人規模になると報じている。
辛坊)国民民主党が「分党」できるかどうかまだ決まっていないようですね。「分党」できるかできないかが大違いなのです、要するに、「分党」できずに全体として立憲民主と合流する意見が勝った場合には玉木さんらは「抜ける」ということになりますよね。「抜ける」となると政党助成金はもらえず、いままで貯めている部分の分配を受けられないことになりますか。
飯田)勝手に「離党」するとなるとそうなるでしょう。
辛坊)もともと政党助成金をベースにした政党推移をみると民主党はどうなったのですか。
飯田)民主党がその後、政権を滑り落ちた後に民進党になりました。
辛坊)民進党が政党助成金を受け継いでいるわけですね。
飯田)民進党は希望の党になりました。
辛坊)希望の党が政党助成金を受け継ぐ形で、立憲民主党の枝野さんのグループはあのとき飛び出したからここには分配されてないのですね。
飯田)わけられていません。
辛坊)そうなると、政党助成金の系譜では、希望の党から引き継いだ国民民主が、もともと民主党からの系譜を受け継いでいる形になりますか。
飯田)そういう形になります。
辛坊)立憲民主党と合流となると、民主党から受け継いできた金庫は立憲民主党との合流政党に全額いくと思っていた。ところが「分党」という話になったので、国民民主のなかで話がまとまれば金庫は2つにわけることになるのですか。
飯田)そうですね。合流派の議員の方でツイッターをやってらっしゃる方が結構いて、津村啓介議員がツイートしていました。いったん全部閉じて、すぐに継承政党を2つつくると言っています。
国民民主党は #解党 します。
分党ではなく解党で、党自体が無くなるので #残る人はゼロ。
大半の同僚議員が、他の野党の仲間と作る #合流新党 に参加します。
玉木さんは独自行動。
一人の政治家としてのご判断ですが、平野幹事長、泉政調会長が苦心された組織間合意に従われないのは残念です。
— 津村啓介 (@Tsumura_Keisuke) August 11, 2020
飯田)そうすると人数割りで金庫に入っていたお金が相続されます。
辛坊)金庫Aと金庫Bにわけられるということですね。
飯田)おっしゃる通りです。
選挙が近い衆議院議員とっては自分の命運が目先にぶら下がっている
辛坊)最終的に、玉木さんの発言や思想性から考えて立憲民主党に合流することはあり得ないということですね。そういう人たちは他にも何人かいますから、その人たちにとって「分党」が認められるかは経済基盤で今後政党を維持していく上において極めて重要なファクターになるということですね。
飯田)プラスして言いますと玉木さんについて行く人たちはもともと選挙に強い人、あるいは参議院議員です。
辛坊)衆議院議員の皆さんは少なくとも1年半の間には選挙がありますから、そのときにいまの国民民主の支持率では勝ち目がないと……。立憲民主と合流することで、もしかすると支持率が一定水準以上に上がれば……。いま小選挙区制はオセロゲームで1人しか当選しないので自民党と対峙したときに勝てるかどうかです。衆議院の皆さんは自分の命運が目先にぶら下がっていますから。
飯田)さらに、選挙区で落ちても比例復活を考えると支持率が重要になってきます。
辛坊)そうなると、思想やその他政策を投げうってでも、とにかく支持率の高いところにいきたい……などという不届きなことを考えている国会議員は1人もいないと信じます……
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)