ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月4日放送)に元内閣官房参与で前駐スイス大使、現TMI総合法律事務所顧問の本田悦朗が出演。ホンダがGMと北米市場で協力体制を強化するというニュースについて解説した。
ホンダとGMが北米で協力体制を強化
日本の大手自動車メーカーのホンダとアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)は9月3日、北米市場で自動車の車台やエンジン開発など、新たに幅広い分野で協力することに合意したと発表した。両社は既に電気自動車(EV)の開発などを共同で進めて来たが、連携分野をエンジンを載せた車などにも拡大するということだ。一方でホンダは、現時点でGMとの資本提携は検討していないと、広報部が発表している。
飯田)GMというと、昔はトヨタと何かやっていたイメージがありますよね。
自動車の概念が変わるなかで、どこと業務提携するべきか
本田)そうですね。合従連衡が激しく起こっている分野で、自動車という概念が根本的に変わりつつあります。いままではガソリンで人を運ぶという概念でしたが、これからは自動運転、あるいは電気自動車、それからハイブリッドなど、新しい技術が発展して、まったく様変わりした状況になって来ています。産業自体が変わるなか、日本の自動車会社としては、単独で開発するにはコストがかかるため、どこと業務提携をするか。アメリカか中国か、ドイツか、というなかで、最も信頼できるのはアメリカの自動車会社だと思います。コロナの影響もあって、サプライチェーンの見直しをやっておられると思いますけれども、基本的に自動車は戦略物資、安全保障と密接に関係していますので、日本の国の政策全体として、整合性のとれる、あるいはリスクができるだけ小さい戦略をとれるサプライチェーンを構築していただきたい。そういう意味では、アメリカ企業、特にGMのような企業と連携することは、積極的に考えるべきだと思います。
安全保障と密接に関係する自動車~連携するのはアメリカ
飯田)確かに近年、日本の自動車メーカーというと、北米市場と中国市場を目当てに車をつくっているイメージがあります。一方で中国市場、あるいはそのメーカーとの連携は、気をつけなくてはいけないということですね。
本田)気をつけなくてはいけません。中国はいつでも資本移動を制限できる国ですから。例えば利益を日本に持って帰るという場合、すぐにストップをかけられるという状況にあります。特に、最近の中国の動きを見ると、人権上で大変重要な問題を抱えている。香港、ウイグル、内蒙古、それからチベット、どれも大きな問題です。中国の指導部は、ソ連崩壊からいろいろなことを考えていると思います。ソ連が崩壊した理由はいろいろありますけれども、構成共和国に自治を与え過ぎたということで、1つ独立運動が進んで行くと、どうにも止まらなくなるのです。それを見ているものですから、中国の指導部は、本来は自治があるべきなのですが、それをガッチリ掌握するために中華文化を強制しようとしているのでしょう。
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