韓国船員を北朝鮮が射殺~北への幻想崩れる文政権
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月25日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。韓国人船員が北朝鮮軍に射殺されたニュースについて解説した。
韓国人の船員、北朝鮮軍による射殺と発表
韓国軍は9月24日、黄海上で北朝鮮への越境を図った韓国人の船員を北朝鮮軍が射殺したと発表した。新型コロナウイルス流入の懸念からか、北朝鮮軍は海上で遺体を焼いて遺棄したものと見られている。韓国の文在寅大統領は、「衝撃的事件だ。いかなる理由であれ容認できない」と強く非難し、北朝鮮に責任ある説明と措置を求めた。
飯田)海洋水産省の40代の男性船員だそうですが、泳いで亡命しようとしたらしいです。
宮家)「衝撃的だ」とおっしゃるけれど、「いまごろわかったのか」という感想です。文在寅さんはあれだけ北朝鮮に抱きついて、すり寄って、米朝首脳会談までやって、結局ダメだったではないですか。「目を覚ましてください」と言いたい部分もないわけではない。これで北朝鮮に対する幻想は完全に壊れてしまったわけですから、普通ならば米韓同盟、そして「米韓に日も入れるか」という方向に行くべきなのだろうけれども、文政権は国内での不動産の問題もあって大変みたいですね。昔ほど反日カードの効果がなくなったと言う方もいらっしゃるので、いい方向に動いてくれればいいのですが、酷い話です。亡くなったのは南の同胞ですよ。南の同胞が逃げて来たら、普通であれば「ウェルカム」ですよね。北朝鮮国内に入れたくないなら、追い返せばいいではないですか。追い返すどころか話を聞いて、おかしいと思ったら殺す。そして焼くのですよ。
これまでの関係を維持しながら、韓国側の出方を慎重に見る
宮家)日韓首脳の電話会談が昨日(24日)にありました。韓国側の立場が大きく変わるとは思いませんが、日本側も変える必要はありません。ただ、韓国側も何らかのきっかけが欲しいと思っているのではないでしょうか。日韓関係は難しくて、人によって立ち位置が違うため、それによって同じものを見ていても、まったく違って見えるのです。ですから、韓国の大統領には冷静になってもらい、韓国が日本との関係を「こんな形にしておいていいのか」ということを、真剣に考えてもらわなくてはいけません。昨日の菅さんのおっしゃり方は、原則は維持しながらも、韓国側の出方を慎重に見ようとされているのではないかと思います。安倍さんに対しては韓国国内で反発がありましたが、「人が変わった」という要素はあると思います。しかし、日本側は態度は変えずに様子を見る、それを続けるしかないと思いますけれどもね。
飯田)その意味で、ボールは向こう側にあると。
日本にとって安全保障上、極めて重要な朝鮮半島
宮家)もっとも向こうはボールが日本側にあると思っているので、そこが立場の違いで、同じものが違って見えるという話なのです。日本にとって朝鮮半島というのは、その後ろにロシアと中国がいるので、安全保障上、極めて重要です。日韓で喧嘩するのはいいのですが、一定の節度を頭の隅に置きながらやらなくては、日本の国益を害することになると思います。
飯田)徹底的なもの別れになってはいけないということですか?
宮家)そう思いますね。やはり日本は韓国、朝鮮半島が安定して、統一され、民主的で自由であること、これが大事だと思います。
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