「新行市佳のパラスポヒーロー列伝」
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます
10月24日(土)、東京オリンピック・パラリンピックの競技会場となる「東京アクアティクスセンター」の完成披露式典が行われました。
競泳の池江璃花子選手、山口愛斗選手、パラ水泳の浦田愛実選手、清水滉太選手が200メートルリレーで泳ぎ初めをしました。飛び込みやアーティスティックスイミングの演技も披露され、華々しい式典になりました。
東京アクアティクスセンターは、世界基準プールの認定を取得していて、長さ50メートル、水深3メートルで10レーンまで設けることが可能になっています。
プールの床や壁は可動式で、2面の25メートルプールに分けて短水路の大会を開催したり、泳力に応じて深さを調節することができます。
東京大会時の観客席は約1万5000席で、車いす席は約150席。
外観は竹林を、屋内の天井や壁は折り紙をイメージしており、和のテイストが織り込まれています。
まず入って感じたことは「観客席とプールとの距離が近い」ということでした。
これまで水泳大会を取材に行くと、レースの様子が少し見えづらく……私は双眼鏡を観ながらメモをとっていました。一方で、アクアティクスセンターの観客席は、プールを上からのぞき込むような感じで見やすくなっています。
聞くところによると、座席の傾斜を上の階になるほど急にしているため、プールと観客席との距離が近く感じられるのだそうです。
東京アクアティクスセンターにおけるユニバーサルデザインについて、東京都オリパラ推進局大会施設部施設整備担当課の方に詳しく伺いました。
「これまでは多機能トイレをつくって、車いすの方をはじめ、さまざまな方々にご利用いただけるような機能をそこに凝縮していた例が多かったのですが、そのようにすると利用がそこに集中してしまって、お待ちいただくことがありました。
今回はそういったことを解決するために、車いすの方のためのトイレ、オストメイトの方のためのトイレ、乳幼児をお連れの方のためのトイレといったように、それぞれのニーズに合わせてトイレを利用していただき、利用が集中しないようにしています。
各フロアのさまざまな場所に分散して配置することで、トイレまでそれほど歩かなくても行けるように工夫しました」
このアクアティクスセンターが出来上がるまで、江東区の45校の小学校、5~6年生が工事現場を見学したそうです。完成するまでの工程を実際に目の当たりにすることで、愛着が湧きますよね。
10月30日(金)から事前申し込み制で、利用人数を限定した「施設体験会」(プール利用と施設見学)を実施したそうです(※10月15日に締め切り済み)。
東京オリンピック・パラリンピックの会場としてはもちろんですが、地元の人をはじめとして多くの人に利用され、愛される場所になりそうです。