発足直後に窮地に立たされる「バイデン政権の厳しい事情」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカ大統領選をめぐり、テキサス州が選挙結果を無効とするよう連邦最高裁に求めた訴訟で、最高裁が訴えを退ける決定をしたというニュースについて解説した。

米デラウェア州ウィルミントンで演説するバイデン次期大統領(アメリカ・ウィルミントン)=2020年11月25日 AFP=時事 写真提供:時事通信

アメリカ大統領選、最高裁が法廷闘争を退ける

アメリカ大統領選挙をめぐって、テキサス州が接戦州4州の選挙結果を無効とするよう連邦最高裁判所に求めた訴訟で、最高裁は12月11日、訴えを退ける決定をした。法廷闘争によって勝敗を覆そうというトランプ大統領の思惑は事実上終焉を迎えたと見られている。

飯田)これは憲法上違反するのではないかという話だったのですが、州の政府にそのような権限はないだろうということが最高裁の判断として下ったそうです。

米大統領、家族恩赦検討か トランプ氏と家族 (右から)トランプ米大統領、長女イバンカ氏、長男ジュニア氏、次男エリック氏=2014年7月、ワシントン(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

「最高裁は大統領選挙の問題に関与しない」ということ

須田)そのような権限があるかないかということよりも、今回は「却下した」という、ある意味での門前払いという形になったわけです。その意味は何かと言うと、そのような訴えを起こす権利があるかないかということ以前に、「最高裁としてはこの大統領選挙の問題に関与しませんよ」というスタンスを示したということです。テキサス州、また法務長官としては何を要求したのかと言うと、法廷においてとにかく我々の話を聞いてくれというものだった。それについて聞くこともせず、門前払いということで却下してしまった。おそらく今後もそのような形になるのだろうと思います。ですので、事実上の終焉を迎えたということになっているのですが、はたしてこれで全部の決着がついたのかと言うとそうではなくて、憲法上の規定がある州議会判断というものがあるのです。不正が行われた場合は、「選挙人ではなくて州議会が大統領選挙を投票する」という憲法上の規定があるので、州議会の判断はまだ残されているということなのです。

飯田)各州の州議会ですか。

須田)そうですね。ですから、そこに一点突破で懸けて行くしかないのだと思いますが、相当厳しい局面になったことが明らかになったのだと思います。

飯田)最高裁は保守派が多いとされていましたが、これに関しては思想信条ではなく、憲法との照らし合わせで今回の判断が下った。最高裁としては、党派的な仕事はしないということですよね?

須田)その判断をしなかったということです。

24日、米共和党大会で親指を立てるトランプ大統領(左)とペンス副大統領=2020年8月24日 ノースカロライナ州シャーロット(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

ペンス副大統領が「不正があったから開票しない」という選択肢もある~議会で大統領を選出するという可能性も

飯田)選挙人投票は現地時間の14日にかけて出て来ますが、一応は過半数に必要な270人を超えるだろうと。大統領として正式に選出されるという運びになる。これは揺るがないところなのですか?

須田)ただ不思議なことに、投票したものについては副大統領のもとに届けられるのですが、その時点ではまだ開票はしません。

飯田)まだ開票しないのですね。

須田)2021年1月6日になって、ペンス副大統領が開票して、結果的に選挙結果を確定させるという作業があります。そのときに、もちろんそうならない可能性の方が高いとは思いますが、「開票しないという選択肢もある」という説までアメリカのなかでは出ています。

飯田)開票しない?

須田)「不正があったから、これについては副大統領には開票しないという権利があるのだ」と。これは副大統領というよりは上院議長の立場です。

飯田)なるほど。そうすると、1月6日に大統領選出ができなかったら議会で選出するということになるのですか?

須田)そのような可能性もゼロではない。

米東部デラウェア州ウィルミントンで演説するバイデン前副大統領(アメリカ・ウィルミントン)=2020年11月9日 AFP=時事 写真提供:時事通信

政権発足直後からレームダック状態になりかねないバイデン政権

飯田)合衆国憲法なりを読むと、そうとも読めると。否定はしていないということですね。

須田)本質的にはセレモニーとしての開票作業なのだけれども、そこのところで開票をしないという権利はあるのかないのか、という議論がアメリカでは起きているのです。

飯田)そうすると、まだ紆余曲折はあるかも知れない。

須田)いずれにしても、バイデン大統領が選ばれた後もトランプ大統領を含めて共和党周辺は、「この選挙には不正があったのだ」という主張や活動を取って行って来ると思うので、下手をすると政権発足直後からレームダック状態になりかねないのです。

ウィルミントンで、報道陣の質問に答えるバイデン前副大統領(アメリカ・デラウェア州)=2020年11月16日 AFP=時事 写真提供:時事通信

ねじれ議会になる可能性が高い~民主党内での内紛も

飯田)なるほど。他方、2021年1月にはジョージアの2つの議席の確定をさせる選挙が行われる。この結果によっては共和党が定員を占める可能性が高いと言われていますが、そうするとねじれ国会も相まって、レームダックが進むということになるのですか?

須田)そうですね。2議席のうち1議席でも共和党が獲得すれば、ねじれ議会になりますので。おそらく1議席は共和党が確保するのだろうと私は思います。それだけではなく、民主党のなかでも内紛が起こっているのです。いまの閣僚名簿の予想の顔ぶれを見ていると、特に左派のバーニー・サンダース氏周辺の人たちが選ばれていないのです。これに対して、「我々の協力なくしてバイデン大統領の当選はなかっただろう」と、強い不満をバーニー・サンダース氏は発信しています。

飯田)「俺たちが降りたからこそ、バイデンが民主党の代表になれた」のだと。

須田)降りただけではなくて、政策協定を結んでバイデン推しをしたわけですから、それに対して閣僚人事で指名されないということに、強い不満を持っているのです。ですから、民主党のなかも割れ始めているのです。

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