ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月16日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。政府が閣議決定した第3次補正予算案について解説した。
政府が2020年度第3次補正予算案を閣議決定
政府は12月15日、2020年度第3次補正予算案を閣議決定した。歳出規模は19兆1761億円で、予備費や予算の余りがあるため一般会計の追加歳出は15兆4271億円となる。
飯田)2021年1月18日召集予定の通常国会に提出されて審議されます。
宮家)コロナが続くとどうしても第3次が必要になりますね。一方、いまアメリカでは次の景気刺激策の法案がまだ上がっていないわけですから、それより日本は順調にやっていると思います。私は経済については専門でないから無責任なことは言いたくありませんが、こんなにお金を使ったら、借金なのだから、いずれは返さなければいけません。一方でコロナ感染を減らさなければいけないので、人々の活動を減らさなければいけません。しかし、そのまま補正ばかりやって借金がふくらむのはどうなのでしょうか。一方、経済を動かさないと税収もなくなってしまいますよね。そうするとますます袋小路になってしまいます。Go To がいいかどうかは別にして、やはり経済は動かさなければならないと思います。そのなかでの補正予算なのでしょうね。
飯田)コロナの拡大防止策に4兆3500億円ほど使うということです。
防衛予算5兆円に対してコロナの拡大防止策に4兆3500億円の予算
宮家)4兆3500億円はすごいですよね、防衛予算は5兆円ちょっとですよ。
飯田)それに匹敵する額を補正だけで。
宮家)それは当然なのでしょうが。
飯田)中小の資金繰りなどコロナ後に向けたものも盛り込まれています。
宮家)中小企業の会社の方たち、特にサービス業は大変だと思います。細かくやらなければ、彼等が失速してしまいますよ。
脱炭素化へ2兆円基金~国際社会に評価される菅総理の「2050年カーボンニュートラル」
飯田)外交と向き合うところで言うと、脱炭素化を支援する基金の創設2兆円というものがあります。脱炭素化はアメリカの政権が変わると、ここがクローズアップされるのですかね。
宮家)菅政権は2050年カーボンニュートラルですよね。その発想は、バイデンさんがなることを予め読んでいたのかも知れませんが、「なるほど」と思いましたね。これは国際的に非常に高く評価されているようです。
飯田)菅政権になって即座に出しました。
宮家)安倍さんのときは、「必ずしも前向きではなかった」という印象を国際的に持たれていましたから、菅さんになってこのように打ち出したことは、国連の一部を含む国際社会では評価されているようです。いいタイミングだと思いました。2兆円かかりますがね。
飯田)技術開発等にも使わなければいけませんし。今後の議論としては原子力発電所をどうするかという話に……。
宮家)でも、原子力発電もある程度続けないと、ニュートラルは達成できないと思います。そこは我々が頭の考え方を変えないといけません。
飯田)アメリカもパリ協定に復帰する流れになって行くことを考えると、日本もいままでとまったく同じスタンスは取れません。
宮家)あとは米中が何をするかです。
飯田)排出の大きな国々。
宮家)気候温暖化問題で米中に変に握られて、日本がジョーカーを引くことはないようにしないといけません。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。