ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月19日放送)にジャーナリストの有本香が出演。静岡県内の男女3人から新型コロナウイルスの変異種が確認されたというニュースについて解説した。
新型コロナの変異種~国内で初の市中感染か
厚生労働省は1月18日、新型コロナウイルスに感染した静岡県内の男女3人から、イギリスで流行しているものと同じ型の変異種が確認されたと発表した。3人に海外への渡航歴はなく、渡航歴のある人との接点も現時点では確認されておらず、国内で初めて変異種に市中感染した可能性がある。
飯田)変異種の市中感染ということです。警戒を強めているようですけれど。
有本)いま警戒を強めてももう遅いですよね。この1年間この番組でも言い続けて来ましたが、日本は水際対策が甘過ぎます。結局ここに来て、締め始めていますが、それでもまだ特段の事情ということで入国が許されている。それから、去年(2020年)は緊急事態宣言を出す直前になって、ようやく方々からの入国を閉めた。それでも、その後も特段の事情というのでポロポロと入って来ていて、これを明らかに11月の段階で緩めてしまっているのです。相当数の人が外国から入って来ています。
飯田)日本政府観光局(JNTO)が12月16日に発表した推計値によると、11月で5万6700人くらいですか。
台湾では入国者に厳格な14日間の隔離を実施~日本は要請のみで水際対策が甘い
有本)台湾がかなりの人数を入れても問題がないのは、厳格な14日間の隔離を行っているからです。それを日本はいつまでたってもやらせられない。
飯田)要請のみで、実際どこまでやっているか追跡できないですものね。
有本)特定の国との間を相互に行き来するビジネストラックも、それを聞くと相互主義というような感じがありますが、相手国が責任として課していることと、まったく違うのです。はっきり言って、日本の場合、入って来たら野放しのようなものです。他の国はこれにペナルティを科せられたり、あるいは各国の政府がつくったアプリを入れてGPSで場所も追跡されます。さらに、行動計画を出したら、そこを外れてはいけないのです。外れた瞬間にアラームが鳴ったり、人が来たりします。シンガポールでは、事前に国内での行動計画に沿った形での交通手段を、招へい先がすべて用意しなくてはなりません。それが確認されないとビザは下りないそうです。厳しさがまったく違うわけです。そうすると日本の場合、水際対策って何ですかという話になって来るのです。その上、陽性者が出ても、感染経路を追えていないのです。7割くらいが感染経路不明ですから。台湾では虚偽申告をしたら100万円ほどの罰金が科されます。そこまで他の国は厳しくやっているところを日本はやっていないから、当然このようなことになるでしょう。
時短営業を守らない飲食店にはペナルティ~順番が違う
飯田)今回の国会でようやく一部は特措法でという話ですが、行動を全部追えるようにするわけでもなく。
有本)飲食店の時短営業を守らないお店にはペナルティを科すということで、自民党が了承しています。順番が違うと思いますよ。
飯田)飲食店を狙い撃ちしていますね。
有本)そこは違うでしょと。
飯田)感染拡大は基本的には個々の人の動きによって起こるものです。
有本)それから外来で流入させないという基本の話ですよね。どうしてなのかわからないですが、菅総理は経済を止めたくないというお考えだったと聞いているのですが、優先順位が違うと思います。
飯田)今回も緊急事態宣言はいまのところ2月7日までとなっていますが、今年(2021年)は春節が遅く始まるのですよね。
有本)2月11日ですかね。
飯田)そうすると7日でもし終わるということになると……。
有本)それと同時に開けるということになると、また同じことで、それでまた国民にだけ自粛しろと言うのですよね。この悪循環を繰り返して、いったいどこに着地させたいのかまったく見えないですね。
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