ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月5日放送)に元内閣官房副長官で慶應義塾大学教授の松井孝治が出演。ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏が率いる与党・国民民主連盟(NLD)の最高幹部の大半が、国軍に依然拘束されているというニュースについて解説した。
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国連大学前で行われた、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏らが拘束されたことに対する抗議デモ=2021年2月1日、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社
アウン・サン・スー・チー氏ら、国軍に依然拘束
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏が率いる与党・国民民主連盟(NLD)の最高幹部の大半が、国軍に依然拘束されていることが2月4日、わかった。拘束されているのはスー・チー氏や大統領だったウィン・ミン氏ら16人~17人で、解放に向け国際的な支援を訴えているとのことである。
飯田)外務省の前で、日本に住んでいらっしゃるミャンマーの方々が大規模なデモをやっているという報道もありました。
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ミャンマーの与党、国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問(ミャンマー・ネピドー)=2020年4月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信
多角的な見方をしつつも、日本政府は毅然と対応するべき
松井)やはりこういうことが起こるのですね。私たちが若いときから拘束されていた方ですから、どうなっているのかと思いますし、日本政府としては毅然と対応して欲しいと思います。思いますが、人権主義だけを見るのではなく、アウン・サン・スー・チーさんがどのような政治をやっていたのか、またロヒンギャの問題にも目を向けるべきでしょう。逆にスー・チーさんの拘束を喜ぶ人もいるわけです。やはり多面的な視点を忘れずに、しかし、いま起こっていること自体はとんでもない問題ですから、それは毅然と日本政府に対応して欲しいです。多様な見方を持って物事に接した方がいいとは思います。
飯田)以前にスー・チーさんが拘束されていた、かつての軍政下、西側は各国ミャンマーを制裁しているなかで、日本はいろいろな道を模索して、援助をし、一部パイプを残していました。
松井)そうなのです。あのころ駐在していた人たちは、それが日本政府の限界と言えばそうなのですが、国軍に対するシンパシーを持っている人もけっこういました。だから、いろいろな情報を取って対応した方がいいと思いますし、単にアウン・サン・スー・チーさんはヒーローで、それを弾圧している人が100%悪いのかどうか。どういう問題があったのかということを多面的に検証する必要があると思います。しかし、今回やっていることは言語道断の話ですから、しっかりと対応して行く。特にアメリカと協調しながら対応するということです。中国はまた別の見方をして動いていると思いますから、そこもきちんと情報を取る必要があるでしょう。