高崎市で小栗上野介しのぶ「まつり」 27年NHK大河決定後初開催 

By -  公開:  更新:

日本の近代化の礎を築いたといわれる幕末の幕臣、小栗上野介忠順をしのぶ「小栗まつり」が5月25日、小栗の墓がある群馬県高崎市倉渕町の東善寺などで行われた。2027年のNHK大河ドラマに小栗が主人公の「逆賊の幕臣」が決まったこともあって多くの人が集まり、墓前で手を合わせるなどしてその功績をたたえた。

墓前祭で追悼の言葉を述べる顕彰会の市川平治会長(右)

墓前祭で追悼の言葉を述べる顕彰会の市川平治会長(右)

小栗は遣米使節団として渡米し帰国後、勘定奉行などを歴任。横須賀製鉄所(造船所)の建設を提言するなど日本の近代化の礎を築きながらも明治新政府にあらぬ「逆賊」をかけられ、まともな取り調べもなされないまま、権田村(現在の高崎市倉渕町権田)で斬首され非業の死を遂げた。

墓前祭では小栗上野介顕彰会の市川平治会長が追悼の言葉を述べ、大河ドラマ放映の決定を報告。「これを機に正しい歴史認識が広がることに期待している」と述べ「堅実に顕彰に取り組み、偏りのない公正な歴史観を発信してまいりたいという決意を新たに」と誓った。

小栗上野介顕彰会 市川平治会長

小栗上野介顕彰会 市川平治会長

今回、新しくできた「小栗かるた」の会も初めて開催し、多くの小学生が参加した。小栗の生涯などを紹介した札を読み上げると参加者は一斉に手を伸ばし、札を取り合いながら小栗の功績など理解を深めた。東善寺ではこのほかに観世流能楽師の清水義也さんの新作能「小栗」の披露や群馬マンドリン楽団の演奏も披露された。

小栗子どもかるた会の様子

小栗子どもかるた会の様子

近くの倉渕小学校での式典では、地元住民や横須賀市の関係者なども出席し、倉渕中学校吹奏楽部が「小栗のまなざし」の演奏と拓殖大の関良基教授が「小栗忠順の目指した近代国家」をテーマに講演した。

倉渕中学校吹奏楽部による演奏

倉渕中学校吹奏楽部による演奏

市川会長は「もともとは小栗公の菩提を弔う、残念な最後を遂げたことと、大きな仕事をしたのに明治新政府によって抹殺されてきた。そういう部分をしっかりと顕彰しようというのが出発。小栗公の功績を本当に多くの人に知って頂きたい。それ以上に今回、大河ドラマのテーマになる事でさらに注目され、そして小栗公の本当の姿が発信できるかなと期待している」と述べ、「小栗の本当の姿とは、日本の近代化を見据え、日本の将来をしっかりと考えて実際に近代化の働きに尽くした。それが明治新政府によってほとんど功績を隠されてしまった。そこを皆さんにしっかり知って頂きたい」と強く語った。

高崎市倉渕支所地域振興課 髙瀬健斗 主任主事

高崎市倉渕支所地域振興課 髙瀬健斗 主任主事

高崎市倉渕支所地域振興課の髙瀬健斗氏は「昨年より2倍の方が来ている」と驚きながら、「事前の問い合わせ」も結構あったという。158回忌にあたる今年は例年を上回る盛況となった。

 

Page top