フードロスを少しでも減らすために 千葉市での取り組み

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千葉市にある京葉銀行は、千葉駅前大通りの本店前で、「食品ロス問題への貢献」と「千葉駅前大通りの賑わいづくり」をテーマとしたイベント「CHIBA SDGs Parklet Project」を2022年7月から本格的に開催している。イベント開催を通じて幅広く地域の課題解決をはかる取り組みを行っており、第11回までのフードロス合計削減量(出店者申告ベース合計)は1,052kg、延べ来場者数(レジ通過ベース)は6,986人を数え、地域課題の解決に貢献すると同時に、地域のイベントとして定着してきた。

CHIBA SDGs Parklet Project

CHIBA SDGs Parklet Project

その第12回となるイベントが5月23日に行われ、キッチンカーが過去最大となる8台、その他ブース出店7店舗を合わせた計15店舗が出店。食品ロスをはじめとしたSDGsに取り組む事業者がそれぞれ規格外野菜や廃棄予定品を活用した商品などを販売。また、家庭やオフィスで余っている食料品を募り寄付する「フードドライブ」も実施した。

第12回「CHIBA SDGs Parklet Project」でのキッチンカー

第12回「CHIBA SDGs Parklet Project」でのキッチンカー

中でも注目したのは、リサイクル先へ日々運搬している物の中から、今までと違ったかたちのより良いリサイクル方法を生み出せないかと考えて生まれた商品。普段は飼料となる端材や焼きムラ等により規格外となった中華麺の一部を活用したアップサイクルのクラフトビール「CHIBA MEN YELL」と、規格外のシュークリームの皮を活用した「シュークピール」だ。

アップサイクルのクラフトビール「CHIBA MEN YELL」(右)と「シュークピール」(左)

アップサイクルのクラフトビール「CHIBA MEN YELL」(右)と「シュークピール」(左)

「CHIBA MEN YELL」は、エールビールをベースとした非常にスッキリとした爽快な飲み口でビールが苦手な方でも非常に飲みやすい仕上がりとなっている。開発に関わったグリーン・エコ株式会社の田渕浩太代表取締役は「違う形でのリサイクル方法が出来ないかとビール会社に相談した。ビール会社と麺を提供する事業所も千葉市にあり、千葉の人と麺をかけたネーミングにした」とのこと。ラベルには千葉市が推進する「花のあふれるまちづくり」のシンボルキャラクター「ちはなちゃん」のイラストも。

グリーン・エコ田渕浩太代表取締役(左)、CYC小暮美樹子代表取締役(右)

グリーン・エコ田渕浩太代表取締役(左)、CYC小暮美樹子代表取締役(右)

一方、「シュークピール」はカスタードクリームが少し入った、ほんのり甘くて香ばしい黒ビールになっている。また、アップサイクルとリユース販売を手掛けるCYC株式会社では、ドラム缶を再利用し「ドラム缶ソファ」などを製作、販売。小暮美樹子代表取締役は「映画やテレビ番組、イベント等でも使用したいという話もあり、驚いている」とのこと。

実行委員会メンバー

実行委員会メンバー

CHIBA SDGs Parklet Project実行委員会のメンバーで一般社団法人野菜がつくる未来のカタチの代表理事の鳥海孝範さんは、「2019年9月の台風で被災した農家さんの支援始めたプロジェクトをきっかけに京葉銀行からお声掛けを頂いた」と語る。「出店者もお客さん増えてきて、前よりは良くなってきた。今後は定期的にできればありがたい」とのこと。

ドラム缶を再利用したソファとテーブル

ドラム缶を再利用したソファとテーブル

京葉銀行地域振興グループの小田中浩司氏は、「年4回開催するようになり、大学との協力もある。毎回楽しみにしているとお声掛けも頂くようになった。千葉市と一緒に今後のまちづくりを進めていくことができれば」と述べ、同じく松崎秀也氏は「このイベントに立ち寄って頂くことで、市民の皆さんにもSDGsに対する意識を持ってもらっている。12回まで積み上げてやってきたので今後、徐々にステップアップをしていきたい」と述べた。

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