千葉大学、千葉公園をテーマにしたアントレ教育を高校生に実践
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千葉大学は、千葉商業高校の生徒を対象に、探究的な学びを深める「総合的な探求の時間」と「ロングホームルーム」の6限と7限を使って、千葉公園をテーマにしたビジネスアイデアを創造する授業を10月から2度にわたって実施している。
11月12日には、「千葉公園で価値を生み出す事業を考えよ!」をミッションに、3年生8クラスから選抜されたグループそれぞれがアイデアを発表し、最優秀として3年C組の「光の映画祭」が選ばれた。
ミッションを発表するにあたり、お客さんとしての候補となる3人の情報から1人を選び、売り手・買い手・世間のそれぞれのハッピーが実現するようなアイデアを考え、日常と非日常、少人数と大人数、原資は30万円使えるものというルールを設けた。
今回、「千葉公園」が課題となっているため、地元企業などで構成される「千葉公園 子どもの文化振興実行委員会」の方をゲスト講師に迎え、グループごとに企画を考えていき、短い時間でのプレゼンの方法やアイデアを出すためのアドバイスを行うとともに、ビジネスプランの審査を行った。
評価基準も「課題をとらえられているか」「得られた情報を分析したう上で解決策を考えられているか」「提案された解決策は新しい価値を提案するものになっているか」と現実的。
京葉銀行の古屋秀・地域振興担当部長は「皆さんよく考えている。意外と発表するのもうまい」と言い「こういう教育を続けていけば、起業というものも盛り上がって行くので良いこと」と述べた。
千葉大学は県内の小中高生向けのアントレプレナーシップ教育(起業家精神教育)の普及・促進に向けて活動をしており、教材開発や授業実践に取り組んでいる。今回は千葉大学と千葉商業高校が連携して開発したもの。
千葉商業高校の大川裕二・商業学科主任は、「成果というよりプロセスで評価するもの。今回はアイデアに対する評価ではあるが、皆で考えてその体験を学びにする。やってみて今後何か思い起こすようなきっかけづくりになれば」と話した。
また、千葉大学IMO スタートアップ・ラボの小牧瞳さんは「今回、初めての取り組みで教員や生徒の皆さんのおかげで実現できた。思ったより生徒たちが熱中して取り組んでくれたことが嬉しい。今回はアイデアを出すことが主眼だったが、ここを起点により行動に近づいていくような生徒が一人でも増えたら」と語り、「ここで続けていくことと、県内の別の高校や小中学校にもこのような機会を広げていきたい」と述べた。