ミャンマー「クーデター」~進出企業も多く難しい立場の日本

By -  公開:  更新:

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月10日放送)に内閣官房参与で数量政策学者の高橋洋一が出演。国軍のクーデターが起きたミャンマーについて解説した。

ミャンマー「クーデター」~進出企業も多く難しい立場の日本

国連大学前で行われた、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏らが拘束されたことに対する抗議デモ=2021年2月1日、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

国軍によるクーデター、ミャンマーで4日連続の抗議デモ

国軍によるクーデターがあったミャンマーでは2月9日、4日連続となる大規模な抗議デモが各地で行われた。首都ネピドーでは警官隊がデモ参加者にゴム弾を発射し、4人が負傷、女性1人が重体と伝えられ緊張が高まっている。

飯田)この重体の女性ですが、警官隊に頭部を狙撃され、脳死状態であるという報道、また死亡したという報道もあり、情報が錯綜しています。

高橋)クーデターはよくないですね。

飯田)今回のクーデターにどう対応するか、各国の姿勢も見られています。

ミャンマー「クーデター」~進出企業も多く難しい立場の日本

ミャンマーの与党、国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問(ミャンマー・ネピドー)=2020年4月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信

難しい日本の立場~日系企業が多く、中国への対抗もある

高橋)日本の民間企業がたくさん投資している国ですが、ミャンマーは中国の戦略上、重要なところで、実際は中国圏です。このようにクーデターが起こると、制裁することになりますが、日本は立場的にすぐに制裁というわけにはいきません。

飯田)日本は戦後賠償もあったということで、1990年代の軍政のときもパイプは残していますよね。

高橋)ミャンマーについては、中国が圧倒的に影響力を持っているので、中国への対抗もあります。しかし、こういうときに制裁となると、日本のように中国へ対抗措置をしているようなところが取り残されてしまうというか、股割きになってしまう。ミャンマーとつながりがない国であれば制裁がやりやすいのです。日本の場合は間に入ってしまい大変です。

ミャンマー「クーデター」~進出企業も多く難しい立場の日本

国連大学前で行われた、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏らが拘束されたことに対する抗議デモ=2021年2月1日、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

西側諸国が経済制裁すれば中国への依存度が高まる

飯田)9日の報道では、ニュージーランドが交流停止を発表しています。

高橋)西側諸国はやりやすいと思います。日本は進出している民間企業も多いし、中国と競合しているところもあります。そこで経済制裁になると完全にアウトになってしまうので、微妙なところがあります。経済制裁すればするほど、中国への依存度が高まります。難しいです。

飯田)おいそれと中国側に追いやるわけにもいかないですよね。

高橋)西側諸国の、特にアメリカとはある程度協調しなければいけないというのがつらいですね。

ミャンマー「クーデター」~進出企業も多く難しい立場の日本

国連大学前で行われた、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏らが拘束されたことに対する抗議デモ=2021年2月1日、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

表向きは西側諸国と協調しながら、日本独自の関係を保つ

飯田)表向き協調しながら、という戦略ですか?

高橋)表向きは西側諸国と協調しながら、「実際にどこまでするかは別」ということが外交だと思います。

飯田)このクーデターの認定等、日本は一歩遅れた形でやっていますね。ティラワというヤンゴンから近いところの工業地帯には、かなりの日系企業があります。

高橋)それは各国事情があるので、すぐに従うことは難しいですよね。実際にミャンマーに進出しているのは民間の人ですから、あとが大変ですよ。

ミャンマー「クーデター」~進出企業も多く難しい立場の日本

中国は2020年10月14日午前、広東省深セン市で深セン経済特区〈SEZ〉設置40周年を祝う盛大な大会を開いた。習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委員会主席がこれに出席し、重要演説を行った。〔新華社=中国通信〕写真提供:時事通信社

「民主主義のドミノ」になってはならない

飯田)隣のタイも軍政から民政移管の形になっていますが、実情は軍政が続いている形です。ここはテストケースになりますか?

高橋)なりますね。タイの方は戦略上の観点から言って、どちらかというと中国寄りではありません。ただし、ASEANが今回のことで民主主義否定のドミノのようになったら困りますね。ベトナムまでは行かないでしょうが。タイも比較的そうですが、ベトナムは民主主義国に近く、ミャンマーは中国に寄っている。ASEANのなかのパワーゲームになっています。

飯田)あそこの東西に貫くところを見ていると、ミャンマーとカンボジアが中国の影響が強く、それに挟まれる形でタイとベトナムが西側にある。

高橋)RCEPでの主導権争いなども関係します。ニュージーランドやオーストラリアにはRCEPに入ってもらっていますから、そこもある程度考慮しないとRCEPのなかで負けてしまいますからね。

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top