ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月12日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。2月12日に迎えた中国の春節について解説した。
春節を迎え大型連休となる中国~11億人が移動
新年を旧暦で祝う中華圏の国々では、2月12日に旧正月の春節を迎え、これに合わせて11日から17日まで1週間の大型連休となる。中国では例年は多くの人が移動する時期だが、新型コロナウイルス対策のため、中国政府が帰省や旅行の自粛を呼びかけ人出が減少している。春節前後の40日間に移動する人の数は、感染が拡大していた1年前よりもさらに2割ほど少ない、延べ11億人あまりになると見られている。
飯田)少ないと言っても11億。
宮家)そう、11億ですよ。
飯田)1億の間違いかと思いましたが。
国民に義務付けられている「健康コード」
宮家)春節というのは、中国最大の民族大移動期ですよね。日本であれば年末年始、それからお盆もあります。アメリカだとサンクスギビング。各国とも、故郷に帰る時期です。しかし、中国では「健康コード」というものが義務付けられるのですね。健康コードとは、これまでのいろいろな個人情報に行動履歴を加えて、感染リスクを示すシステムで、それを提示しないと飲食店や商業施設に入れないだけではなく、乗車履歴まで記録を求められるから、電車に乗れない可能性も出て来る。でも、そんなことを今の日本でやったら大騒ぎになりますよ。
飯田)本当ですよね。
宮家)人口が多いから仕方がないとは言え、何が起こるかわかりませんよね。これだけの措置をやっても中国では11億人が移動する。話を聞けば、昨年(2020年)はみんなが相当心配していたけれど、今回は結構余裕があるようです。だから11億になるのだろうけれども。まったく様変わりでしょうね。私が北京にいたのは4年間くらいでしかありませんが、毎回この時期になると汽車や飛行機の切符は取れず、北京駅や空港は大混雑でした。怖くて近寄らないようにしていましたが。
飯田)一方で感染防止という意味では、都市を強引に封鎖したり。その後も河北省の省都、石家荘市などで少し感染が拡がって来たのではないかと一時期言われていましたが。
宮家)中国はどこまで正確に発表するかわかりませんから、我々も氷山の一角ではないかはと思いたくないですが、そのような可能性は十分あり得ますよね。また、都市で感染していても無症状で、農村などに帰って感染が拡大するという危険もあると思います。その意味で、今頃彼らはピリピリしているだろうと思います。
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