2月15日(月) ・16日(火)、『TOA World Showcase2021』が開催。「Re-Inventing Everyday 〜『日常』を”再発明"する〜」をテーマに様々なプログラムが行われる中、小泉進次郎環境大臣が、サーキュラー・エコノミーに対する考え方“リ・デザイン”を主軸とした基調講演を行った。
『TOA World Showcase2021』は、TOA(Tech Open Air) から派生した欧州最大規模のテックカンファレンス(=技術に関する大規模会議)。東京では4度目の開催となる今回は、「New Livelihood 新しい生活」「Unified Experience 融合型エクペリエンス」「Distributed Learning 分散化型学習」「Regenerative Society 再生型の社会」「The momentum of a Transformation 新たな時代への移行」の5つの柱を軸に、国内外の多彩なゲストによるディスカッションやプレゼンテーションなどが行われた。
中でも注目を集めたのが、小泉進次郎環境大臣のキーノート講演。本イベントで進行役を務める株式会社インフォバーンCVO・小林弘人氏と共に、サーキュラーエコノミー(循環型経済)について熱弁。サーキュラー・エコノミーは「不可欠である」という思いと共に、理想とする在り方や現在行っている取り組みなどを語った。
現状の取り組みからサーキュラー・エコノミーを世界に届けるためのわかりやすい事例として、全ての人に関係がある、食とファッションを挙げた小泉大臣。昨年末、ファッション産業の環境負荷軽減に向けた国際的な枠組み「ファッション協定(THE FASHION PACT)」に、アシックスが日本企業として初めて加盟したことも話し、ファッション業界にも環境への取り組みが始まっていることを紹介した。今年の国会では2050年までのカーボンニュートラルを目指し、プラスチックという素材に初めて着目した法律を国会に提出する予定であることを明かした。
政治家であると同時に父親でもある小泉大臣だが、小林氏から次の世代にどういう日本を残していきたいかについて聞かれると、「日本の砂浜を守ってあげたい。横須賀の三浦半島で育ってきたので、当たり前に享受している自然の恵みを残したい」と思いを語った。サーキュラー・エコノミーの実現によって、特に資源の少ない日本では、限りある資源を有効活用することで地球のダメージを軽減をしたい。経済社会を再設計する“リ・デザイン”を掲げながら、コロナと気候変動の2つの大きな危機と向き合って、経済社会の在り方を再設計(“リ・デザイン”)していきたいと、熱く意見を述べた。
このほかのセッションでは、神戸と北海道という2つの地域とリモートで繋いで行うサテライトならではの展開も。未来に向け魅力と活力あふれる都市として発展する神戸を発信するための新たなクロスメディアイベント「078KOBE」と北海道・札幌を舞台に、クリエイティブな発想や技術で次の社会・未来を創るためのコンベンション「NoMaps」の代表者がそれぞれ登壇し、その魅力や取り組みなどを紹介した。
また、地域発・企業発のイノベーションとして、キリンホールディングス株式会社の坪井純子氏と、衆議院議員の小林史明氏がセッションを行う場面も。自身の活動にまつわるエピソードを語り、地域の課題解決と企業側のトランスフォーメーション(=変革)をテーマに、それぞれの視点から考えを述べた。
さらに企業としては、パナソニックアプライアンス社も参加。未来の家電プロジェクトとして、低糖質でしっかりとした食感の新しい主食と調理や体調管理をサポートする専用アプリ「よりそいごはん」、つくりおき料理にまつわるサービスを提供するつくりおき料理代行プラットフォーム「minacena」、オンラインギャラリーサービス「Uttzs(ウツス)」、スポーツ映像の自動編集・配信プラットフォーム「Spodit」を発表し、代表者が各ポイントを紹介した。
このほかにも様々なスピーカーが登壇し、熱いセッションを展開。2日間のイベントで進行役を務めた株式会社インフォバーンの小林氏は、最後に締めの挨拶として、TOAの創設者であるNIKOLAS WOISCHNIKの言葉「TOAは人間が人間を成長させるプラットフォーム」を2日間で実感したと話し、今後の取り組みについて意気込みを語りつつ、関わった企業や視聴者たちに改めてお礼を述べた。