素朴な疑問~“まん延防止等重点措置適用”で何が変わるのか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月9日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。政府が東京、京都、沖縄に適用することを決定した「まん延防止等重点措置」について解説した。
「蔓延防止等重点措置」東京、京都、沖縄を12日から追加
政府は4月9日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく「蔓延防止等重点措置」を東京、京都、沖縄に適用することを決定した。期間は4月12日からで、東京は5月11日まで、京都と沖縄は5月5日まで。
飯田)対象地域については各都府県が決めるということですが、東京は23区と多摩地域の一部(武蔵野・八王子・立川・町田・調布・府中の6市)だということであります。
「まん延防止等重点措置」を適用することで、何が変わるのか
宮家)素人の素朴な質問として、飲食店の営業時間が夜の9時から8時になるのはわかったのですが、他はどこが違うのですか?
飯田)本当ですよね。罰則の規定が一部できるというようなところくらいですかね。
宮家)いまの日本のシステムでは、強制措置はできるだけ取らないようにするということですが、それはそれで気持ちはわかりますし、正しいと思います。しかし、「自粛してください」とお願いする。そして、いちばん厳しいのが「緊急事態宣言」ですが、その宣言はもう続けられない。であるから「まん延防止等重点措置」で行く、そういうことなのでしょうか?
飯田)そうなりますね。
宮家)相手はウイルスなので、ある程度仕方がないと思いますが、私は60歳を過ぎてそろそろ我慢が利かなくなって来ているのです。この間も街なかを少し歩いたら、若い人たちがたくさんいて、マスクもしていないし、とっても元気なのです。彼らはエネルギーが余っているので、騒ぎたい気持ちもわからないではない。しかし、それを我々はどこまでいまの法律のシステムで規制できるのでしょうか。私たちはみな頑張らなくてはいけないですが、このやり方だけではなかなか厳しいのではないでしょうか。強制はできるだけ避けたいとは思いますが、「やるべきときにやらないと」という気も最近しています。
日本人の高い民度に頼って来たが、それも限界に
飯田)この1年間、世のなかの空気のようなもので、周りを見て、「あの人はマスクをしていない」などという相互監視のようなもので、何となくやって来たところがあります。
宮家)民度が高いから当然なのですけれどもね。
飯田)そうですね。それでやって来たのですが、長く続くと、また考えなくてはいけない。
宮家)諸外国と比べても、日本の民度が高い分だけ、感染者数は圧倒的に少ない。それはそれで素晴らしいことなのですが、「でも、やはりなぁ」という思いが強くなって来ました。
コロナ禍を「有事に準ずる」というところから、厳しい規制を考える必要がある
飯田)縛りをかけるということになると、「どこまで、どういう基準で」というところは、厳しく見なければならない。その辺り、いまは「何となくみんなわかっているだろう」というところでやっていたのを、そろそろ明文化、明確化する必要があるのではないかと。
宮家)普通の国はそれでやっているのです。これまで日本はそうしなくても済んだ。それはそれでよかったのかも知れませんが、それが永久にできるかということを考えると、法律の立て付けを少し考えなくてはいけない時期がいずれ来ると思います。
飯田)コロナの対応を、有事に例えることもありますが、有事と平時というのは、そこの考え方の違いもあります。
宮家)国家安全保障上の有事であれば、もっと厳しいことをやらなくてはいけないと思いますよ。疫病についてはそれに準ずることを今後考えて行く時期に来ているのでしょうね。
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