ワクチン接種が進むアメリカと進まない日本の“株価の相違”
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月13日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。ワクチン接種が及ぼす景気への影響について解説した。
まん延防止等重点措置が株価にも影響~ワクチン接種の遅れも
4月12日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、終値は前週末に比べ229円33銭(0.77%)安の2万9538円73銭だった。アジア株の一角が下げたことも相場を下押しし、安値引けとなった。
飯田)4月12日の日経平均株価は入口は上げて始まりましたが、その後200円あまりの安値ということになりました。ダウ平均も55ドルほど下げたということだそうです。年度が始まって2週間くらいが経ちましたが、どうご覧になりますか?
クラフト)12日において言うと、アジア株が全体的に弱く、それに引っ張られた感じです。その上で、まん延防止等重点措置が適用され、これがゴールデンウィークにかかってしまうということで、経済回復が当初、期待していたよりも遅れるということから、売りが集中しました。アメリカやイギリスのようにワクチン接種が進んでいる国の株価は、相対的にアウトパフォームしていますが、日本のように遅れている国は、出遅れ感が目立ちます。
アメリカではワクチン接種が加速し、最高値更新
飯田)アメリカのダウ平均が、12日は下げましたけれども、先週末は最高値を更新しました。
クラフト)連日の最高値更新ですね。
飯田)ワクチンで相当強気になっているということでしょうか?
クラフト)3月の雇用統計の数字が顕著で、ワクチン接種によって雇用が急速に回復している見込みなどがありますので、そういうデータが4月からより鮮明に出て来ることが、マーケットでは期待されています。ワクチンの観点からすると、日本株対アメリカ株という点で言えば、どちらかというとアメリカの方が目先は期待できるということだと思います。
ヨーロッパの株価は足踏み状態
飯田)ヨーロッパに関しては、特に大陸ヨーロッパの部分でワクチン接種の遅れに対して内部から批判が出ているという話がありますが、株式相場の影響としてはどうですか?
クラフト)ヨーロッパも当初は期待があったのですが、変異株の感染でまた拡大してロックダウンしている地域もあります。ワクチンもイギリスなどに比べると遅れていて、そこで明暗が分かれている感じです。ヨーロッパも足踏み状態ですね。
日本と英米のワクチン接種の大きな違い~日本は医療従事者以外がワクチンを打つことはできない
飯田)ワクチンの普及度合いというか、日本で国産ができないのは痛いところですか?
クラフト)もちろんワクチンの供給は大事です。ただ、日本の場合は、ここがアメリカやイギリスと違うのですが、ワクチンを打つ医療関係者の数が圧倒的に少ない。なぜアメリカとイギリスでこれだけワクチン接種ができるかというと、イギリスの場合は、一般のボランティアが研修を受けて打つことができる。アメリカでは薬剤師によって薬局で打つことができる。ここが日本とのいちばんの違いです。
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