ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月27日放送)にジャーナリストの有本香が出演。東京などに3回目の緊急事態宣言を発令した政府の新型コロナウイルス対応について解説した。
東京都の小池知事が東京から他県への外出に苦言を呈す
新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象になっていない周辺県の商業施設に、東京都内から人が流れている状況について、東京都の小池知事は4月26日、「都県境は超えないで欲しいと伝えている。しっかり守って欲しい」と苦言を呈した。
飯田)緊急事態宣言は25日の日曜日からということでしたが、その日曜日は対象となっていない川崎や埼玉辺りに人が増えたということが、27日の新聞にも出ていました。
有本)しかし、「エビデンスがない」と言ってしまっているわけですよね。「外に出るなと言われても、それはどうなのか」というのがみんなの気持ちだと思います。変異株については、インドの状況を見れば大変なことになっていますから、これは確かに脅威だと思います。
イギリスの変異株はロイター通信の記者から~入国者の隔離が徹底されていない
飯田)変異株による感染が多くなっています。
有本)しかし、やはり水際なのです。いまはもう帰国者が主ですが、隔離を徹底していないので、それは拡がりますよね。東京でも大阪でも、7~8割の感染経路がわかっていません。外から入って来るものを防げないという状況になるのは、隔離を徹底していないからなのです。イギリスの変異株があったと思いますが、あれを日本に持ち込んだのはロイター通信の記者です。日本に入って来てからホームパーティーに出たりなどして、普通に活動していたからです。
飯田)14日間の隔離もまったく守られていなかったそうですね。
有本)そのようなことが普通に起きているので、いくらでも拡がりますよね。
ワクチン接種~ここへ来て集団接種に計画を戻すという迷走ぶり
有本)こうなって来るとワクチンですよね。
飯田)イスラエルでは57%、約6割近くの接種率で、そろそろ集団免疫獲得が見えて来るというところまで来ています。感染者の数も相当抑制できています。
有本)もう外に出てマスクなしで活動をしています。あとはワクチンに希望をつなぐしかないのだと思いますが、ワクチンもここに来て大会場での集団接種ということを言い始めましたけれど、もともとその予定だったはずですよね。
飯田)これに関しては鹿児島の開業医の方からもメールをいただいているのですが、「当方の自治体は各医療機関での個別接種のみで、ほぼ丸投げという状況。自治体の仕事が増えるであろう集団接種は、初めから検討してもいない。本音としては集団接種をして、ワクチン接種漏れの方を個別接種というのが理想だろうと思うのですが」ということです。
有本)地域によってもだいぶ事情は違うと思います。しかし、ファイザーのワクチンはマイナス70度という非常に低い温度で保管しないといけない。溶かしたら一定時間の間に使い切らないといけない。それぞれのクリニックで、ということ自体がものすごくロスの出るやり方なのです。聞くところによると、ファイザー側はもともと集団接種が前提で話を進めていたのに、それを崩してしまった人たちがいるそうです。このままだと、全体がグダグダになりそうだということで、もう1度元に戻すという話です。
飯田)国の主導でつくると。
有本)なぜ非常時なら非常時らしい対応をしないのだろうと、一貫してわかりません。
飯田)「目的に対して最短距離で行けない」ということが続いている感じがありますね。
メディアに言われるとうろたえる政府~何を目指しているのかわからない
有本)政府側もウイルスに対してどう対応するか、どう戦うかではなくて、少しメディアから言われるとすぐうろたえてしまうようなところがあり過ぎて、「何を目指しているのか誰にもわからない」という感じになっていますよね。
飯田)最終的には「気の緩みですよ、皆さんが悪いのですよ」というような。
有本)「それかい」という。他にも「電気を消す」と言われてもわけがわかりませんよね。
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